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2006/04/23 作成

タイトル

北海道ツーリング6日目

地図

2000年 6月29日(木)晴れ のち 雨

弟子屈 → 北見 260.4km

朝 6時起床、カーテンを開けると朝日しがまぶしいです。昨日とは一転して快晴になりました。出発の準備を整えながら丘の上を眺めると、低い山にかかる雲が地面に溶けあい、まるで地面がから雲が湧き出ているような景色でした。今日は絶好のツーリング日和です。

昨日は走り足りなかったので、7時前に早々と出発です。まずは昨日見ることのできなかった「多和平」へ向かうために標茶まで戻ります。早朝とあって通行量はほとんどありません。でいっきに南下します。多和平は、360度地平線と山並みが展望できる小高い丘です。まだ朝早いせいか大きめの駐車には一台も車が止まっていません。絶景を独り占めです。さっそく展望台を駆け上がります。

眼下には緑一面の牧草地、空には風にたなびく雲が広がり、美しいです。低い高度では風の勢いが弱いので雲のかたまりでき、高い高度では風が強いのですじ雲が流れるの為、空に変化がありとても綺麗です。やっぱり観光客が少ないのは良いですね、早朝にでかけて正解でした。近くには小さな囲いがあり、中には十数頭の羊がいました。柵の側まで近づくと餌がもらえると勘違いしたのか羊が集まってきました。

多和平を後にすると、次に目指すは「摩周湖」です。白樺の樹々を抜けて第一展望台へ到着。駐車場にバイクを止め、展望台の階段を上ると、眼下に摩周湖が広がっていました。湖の中心にはカムイッシュ島、背後にはカムイヌプリ(摩周岳)がそびえています。霧の摩周湖と呼ばれるだけあってなかなか湖面が見えないこともあるそうですが、今日は世界一の透明度を誇る鮮やかな深蒼色の湖面を見ることができました。しばしその美しいに魅入られます。←写真では少しアングルが違いますが、この展望台の景色は16年前に見たあの「オホーツクに消ゆ」画面と同じでした。第一展望台から少し先へ進むと第三展望台があります。角度が少し変わるだけも景色に変化があります。ここからは摩周湖だけでなく屈斜路湖を眺めることもできます。

再び国道まで出ると次の目的地「硫黄山」はもう目の前です。硫黄山の山肌は灰色の土に覆われ壁面からは白煙が立ち上っています。黄色や赤褐色に変色している地面を歩いて、少しずつ白煙の上がる麓まで近づいてみると、徐々に噴煙を上げる音が大きくなってきました。やがて音は轟音へと変わります。間近に近づくと凄い迫力です。吹き上げる硫黄で地面は黄色に染まっています。そして、臭い!! 200mほど離れた駐車場では全然臭わなかったのに、噴出口の付近はもの凄い硫黄のにおいがします。

硫黄山の迫力に圧倒されながら、再び国道まで戻ります。この日は快晴で日が高くなるにつれて気温もぐんぐん上昇してきました。こうなれば行くところはここしかありません、「くりーむ童話」です。その名の通り、アイスクリーム屋です。国道から少し中へ入った農道の脇に店がありますが、道はしっかり舗装されています。白壁に緑の屋根の綺麗な店です。ここは日替わりで10数種類のアイスが並んでいます。どれも美味そうです。バニラとジャガイモのダブルを注文。店の外のベンチに腰をかけて食べます。バニラはさわやかな甘さで舌触りがなんともなめらか。ジャガイモはきめの細かいスイートポテトを冷やした感じで食感はアイスとジェラードの中間ぐらい。美味いです。この陽気のおかげでアイスクリームはよりいっそう美味しく感じます。このくりーむ童話は、首都圏のデパートで開催されている北海道物産展にも出店するそうです。是非、お試しあれ。

もうここから屈斜路湖は目と鼻の先ですが、せっかくなので峠の上から眺めることにしました。まずは、藻琴峠へ。しばらく上ると「藻琴山展望台」へ着きます。ここから見る屈斜路湖は綺麗です。摩周湖の展望台と違ってここは観光客もほとんどいません、さらにその先の小清水峠を登ると「ハイランド小清水峠725」という展望台があります。ここも大きな駐車場があるのに観光客は自分一人しかいません。ここからは屈斜路湖だけでなく弟子屈全体を見下ろすことができます。広がる草原と林の鮮やか緑と屈斜路湖の湖面に映る雲の影が綺麗でした。

この弟子屈周辺は、道路も快走路が多いです。観光地を少し外れると交通量も少なく、気持ちよく走ることができます。

峠を下ると屈斜路湖畔を回ります。この道路は、両側に木々が生い茂っているためほとんど湖が見られないが残念。途中、「アイヌ民族資料館」へ立ち寄りました。小さな資料館だが中にはアイヌ民族の日常道具や衣装が展示されています。アイヌ衣装も展示されていましたが、さすがに長い年月で汚れ色あせていました。やっぱりアイヌの衣装は白/赤か白/紫が良いですね。

屈斜路湖の南岸には、「和琴半島」という小さな飛び出た島がありキャンプ場になっています。ここでバイクを止めて一休み。近くの売店で昼食代わりに「じゃがいもだんご」を買って食べました。天気も良いし、湖の眺めも良いです。

ここから一気に「美幌峠」を登ります。坂道をひたすら登り続けると、急に視界が開け頂上へたどり着きます。ここは、藻琴峠や小清水峠と違ってちょっとした観光地になっていて売店まであります。やはり、美空ひばり効果でしょうか。曲のタイトルになっているだけあって、ご年配の観光客が多いです。売店周辺ではしっかり曲も流れていました。駐車場から峠の天辺まで行こうとする人は少ないようで、歩いている途中から人気が少なくなりました。これまた絶景です。梺から続く道路を見下ろすとこれだけの高さを登ってきたんだと実感します。峠を駆け抜ける風が心地よいです。

美幌から進路を西にとり、女満別経由で網走を目指しますす。網走が近づくと徐々に気温が下がってきました。北海道は思っていたより場所によって寒暖の差がはげしいですね。網走市内へ入るとすぐに「網走刑務所」へ向かいます。これが噂のニポポ人形電話ボックスですね、おもわず笑ってしまいます。門のすぐ目の前に売店があるのもオホーツクに消ゆの舞台と同じでした。もちろん、目の下に傷のあるニポポ人形は売っていません。続いて網走港へと向かいます。網走港からは見える海はオホーツク海です。見るのはこれが初めてでした。この時、空には雲が広がっていたため、6月下旬なのにオホーツク海は寒々しく見えます。もう少しオホーツク海を眺めるために、能取岬へ向かった直後、天候が急変してスコールのような豪雨になりました。慌てて路肩にバイクを止めるとレインウェアに着替えます。この旅の初日に匹敵するような強烈な雨です。さすがにこの雨では岬までいっても海を眺めている余裕はないと判断して、網走を後にして今日の宿がある北見へと向かいます。

北海道ツーリング7日目

地図

2000年 6月30日(金)晴れ

北見 → 小樽港 345.5km

またまた朝 6時に起床。北海道へ来てからというもの、すっかり早寝早起きが定着した感があります。まずは国道39号で一路旭川を目指します。この国道沿いには途中、3カ所に「北きつね牧場」があります。今回は、その中から一番北見より、留辺蘂町にある牧場に立ち寄りました。さすがきつねだけあって牧場の入り口には大きな鳥居がそびえ立っています。牧場とはいっても、金網で囲まれた狭い敷地内に北きつねが放し飼いにされているだけです。それでも、富良野でその姿を見て以来、どうしてももう一度間近に見ておきたかったのです。さっそく中へ入ると、すぐ目の前きつねが....寝てます。どうどうと寝てます。それも歩道のど真ん中で。さすがに側へ近づくと目を覚まして少し距離をとりこちらをじっと見ています。なかには目と鼻のさきまで近づいても寝たままのきつねもいました(あやうくきつねを踏むところでした)。間近で見るとなかなか可愛い姿をしています。

きつね牧場の外には、一面にルピナスが咲いていました。富良野の花畑ほどではありませんが、それでもかなり綺麗です。ここからは左手に大雪山を眺めながら、山間を抜けます。しかし、北海道は虫が多いですね。走っていると飛んでいる虫がヘルメットのバイザに音を立てて激突します。おかげてラジエターには虫の死骸がべっとり付いていました。帰ってからメンテがたいへんそうです。

山間部の谷間を通る国道39号線を走り続けるとやがて岩峰、「層雲峡」へたどり着きます。ここには落差90mをほこる巨大な「流星の滝(左側)」と落差120mの「銀河の滝(右側)」が待ちかまえています。切り立った断崖絶壁から流れ落ちる滝は、水量こそ少ないものの周辺の木々と岩肌がいっそう滝を美しく見せます。時間があればここからロープウェイでさらに奥地へと進みたいところですが、今日は小樽まで走らなくていけないので、ここは次回の楽しみに取っておきます。

上川、愛別市内を抜け旭川へ。ここで昨日食べそこなったラーメンを食べに行きます。もちろん旭川中心部へ行けばいたるところにラーメン屋が存在するのですが、今回は少し離れたあさひかわラーメン村へ行ってみました。ショッピングセンターに併設された8件のラーメン屋街です。ひととおり店を眺めていると、1件の店の名前に目がとまりました、「なきうさぎ」。なきうさぎは北海道に生息するうさぎで、以前ホームページ上で生息地に計画されている国道施設に対する反対運動に署名したこともあります。名前に惹かれて昼食はここに決定。麺はやや縮れ麺でしっかりとしたこしがあります。スープは醤油味でかなり濃い口でした。ラーメン通ならここで一言批評がでるところですが、自分はラーメンはめったに食べないので評論はできません。久しぶりに食べたラーメンは美味かったです。ラーメン屋から外へ出ると三重ナンバーのCB400が入ってきました。よく見るとナバープレートにガムテが2本張ってあり「五重」になっています(笑) 話を聞くと、栃木のもてぎで日本GPを見たあとここまできて3日滞在後、また三重県まで帰るそうです。凄いスケジュールですね。

旭川鷹栖ICから道央自動車道に乗ると一気に南下して一路小樽へ。今日は微風なので北海道初日ように風に悩まされることはありません。それでも、やっぱり北海道を快適に走る750クラスのバイクが欲しいですね。あっというまに160kmほど走って小樽へ到着。まずは旅の土産を買うために、「マイカル小樽」へ。サティの中にある「六花亭」で北海道の定番土産「マルセイバターサンド」を購入。何度かお土産で頂き食べたことがありますが、美味いです。本当はここの生チョコも買っていきたいのですが季節がらさすがに持って帰るのは無理です。早々とホテルにチェックインを済ませると、カメラを片手に小樽市街へと繰り出します。定番の「小樽運河」へ。さすがに観光客が多いです。

続いて「小樽運河工芸館」。他のガラス細工屋に比べると小さくシックなたたずまいの建物ですが、それでも真っ先にここへ来たのはやっぱり思い入れがあるからですね(ある物語の舞台になった店です)。店内には綺麗に陳列されたガラス製品の数々。店内の照明がガラスに反射してなんとも綺麗です。店員さんに許可をもらい撮影させてもらいました。店内を見て回り「はなのほか」という、淡いピンク色した小皿を2つ購入。夕焼け色の鈴蘭は売っていませんでした。

フロントの人に紹介してもらった「魚真」でウニ、イクラ、大トロ、カニ、カズノコ、アワビ、ハマチ等の寿司を堪能してさらに小樽市街を散策します。「北一硝子五号館」と「北一硝子三号館」という2つの大きな硝子細工屋があります。小樽運河工芸館とは異なり、こっちは大きな店構えです。フロアも広く多くの商品が陳列されています。五号館の店は古い木造で歩くと床がきしむ音がしました。北一の店頭にソフトクリーム屋を発見。なんと酪農ミルク、生チョコ、夕張メロン、ラベンダー、富良野ワイン、抹茶の6段重ねソフトなるものがあるそうです。さすがに6段は食べ切れそうにないので、夕張メロン、ラベンダー、抹茶の3段重ねソフトをオーダ。この後「小樽オルゴール堂」なども回ってみました。

一旦ホテルに戻り、夜になったところで、再び小樽運河にきました。ライトアップされた倉庫が運河の水面に反射して綺麗な景色でした。

北海道ツーリング8日目

地図

2000年 7月 1日(土)曇り

小樽 → 小樽港 4.1km

あっという間に北海道最終日になりました。やっぱり1週間では少々物足りないですね。1週間ぶりに戻ってきた小樽港。港の駐車場で会った川越から来たというDucati900 SuperSports乗りのライダーさんと話をしながら出航を待っていると、徐々にバイクが集まってきました。その数 10台以上。しかし車は少ないようです、バイクが最後の乗船でしたが、車両甲板の半分も埋まっていませんでした。船室に入っても、24人部屋には自分の他に 1人しかいません。雑魚寝用の2等船室なんてほとんど空き部屋で閉鎖されたままでした。この時期は閑散期なんですね。帰りは疲れていたせいが風呂から戻るとがぐっすり眠れました。17時間の航行中ほとんど寝ていたような気がします。

北海道ツーリング9日目

地図

2000年 7月 2日(日)快晴

新潟港 → 東京 327.6km

朝 5時10分、定刻通りに新潟港に到着。ドカティのおっさんはマシンパワーに物を言わせてあっという間に消えていきました。北陸自動車道から関越自動車道へ入り、東京へ向かって走るとどんどん気温が上昇してきます。駒寄SAで涼みながら朝食の天ぷらうどんセットを食べていると、同じフェリーに乗っていたKawasakiのバイクが入ってきました。ふたりして北海道は涼しくて良かったな~、などとぼやきながらしばし話し込みます。彼は、2週間で4,000km走ってきたそうです。うらやましいですね。帰りはあっという間に東京まで帰ってきました。

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