2012/08/19 作成
「コード」とは?
パワーコード編のアクセスログをチェックしていたところ、
・DIM パワーコード
・楽譜 Adimの 意味
・Csus4 コード
・C ON G コード
・ギターコード C/E どう弾く
のようなコードに関するキーワードで検索されている方が意外と多いことが判りました。
そこで、急遽こんなページを作りました。
初めてコードを使って弾く方向けの コード入門 の話です。
このページは、キーボードでもOKです。
難しい話は後回しにして、なるべく簡単に いきます!
1.スケール(音階)とキー(調)
まず、コードの話に入る前に、スケールとキーをおさらいしておきましょう。
スケールには、メジャースケール(長音階)とマイナースケール(短音階)があります。
簡単に言えば、明るい曲 と 暗い曲 の違いです(笑)
マイナーには、←の図のスケール(Natural Minor Scale)以外に 7度が半音上がるスケールと6~7度が半音上がるスケールがありますが、ここではさっさとコードの話に移る為に説明を割愛します。
コードの説明上、ここは重要 です。
・半音×2=全音 です
・2、3、6、7度は、長音程と短音程があります。
・1、4、5、8度は、完全音程です。
・8度は、1オクターブ上の音です。
・増音程と減音程は、5度に対してよく使用します。
この後、「5度」、「短3度」、「長3度」、「短7度」、「長7度」、「長6度」、「4度」、「減5度」、「長5度」を頻繁に使用します。
ここで最低限おさえておきたいポイントは、
・1度がドなら、長3度はミ、5度はソ、長7度はシ
・短3度、長3度は、半音の差がある
です。これだけ判れば先へ進んで大丈夫です。
続いてキーです。
とりあえず ここは無視 しても構いません。
昔の小学校の音楽の授業では、キーCのことを「ハ長調」と習ったと思います。(これは今でも同じかな?)
C#←→D♭のように矢印で書いている2つのキーは表記が異なるだけで同じ調です。
キーが判らなくなったら、ここに戻ってくればOKです。
2.コードの種類
さて、ここから本題 です。
基本的なコードを ← にリストアップしました。もちろん、これで全部ではありませんが、とりあえずこれでほとんどの曲は弾けます。
では、左図のコードを順に見ていきましょう。
この後に出てくるコードの例は、全て「C」を基準に説明しています。
最初は、最も頻繁に使用するメジャーコードとマイナーコードの基本コード C と Cm です。
メジャーコードの基本コードは、1度+長3度+5度、
マイナーコードの基本コードは、1度+短3度+5度、です。
小学校の音楽の授業では、「長三和音」、「短三和音」という名前で習ったと思います(覚えていますか?)。
パワーコード編 で述べたパワーコードは、この3度を抜いています。あえて表記すると「C5」になりますが、演奏の都合で3度を抜いているだけなので楽譜にC5と書かれることはまずありません。
続いて、ドミナント7thコード、マイナー7thコード と 7thテンションコードです。表記は、C7 と Cm7 です。
ドミナント7thコード(C7)は、メジャーコードに短7度を追加しています。
マイナー7thコード(Cm7)は、マイナーコードに短7度を追加しています。
どちらも短7度を追加しています。代わりに長7度を追加した場合は、基本コードではなく付加コードになりますが、ここではコード理論は無視して説明します。メジャー7thコード CM7、Cm/M7 です。メジャー7thコードは、Cmaj7、Cm/maj7 と書く場合もあります。
長7度の代わりに長6度を追加すると、6thテンションコード C6 または Cm6 になります。
このページではこれ以上深くは書きませんが、テンションにはオクターブ上の音を加えた 9th、11th、13thコードも存在します。9thはマレに出てきますが、11thと13thはアニソンではまず出てこない為、無視して構いません。
さて、メジャーコードとマイナーコードの違いは真ん中の音に半音の差がありましたね。C から半音下げると Cm でしたが、反対に C から半音上げると Csus4 になります。このサスフォーコードは、アニソンでも良く出てきます。サビの最後で Csus4→C のようなコード進行がよく出てきます。
↑では真ん中の音を変化させました。続いて一番上の音を変化させてみましょう。
C から半音下げるとC-5、半音上げると Caug になります。
C-5は C(♭5)、Caugは C+5 または C(#5) と記述する場合もあります。
最後のコードは、ちょっとやっかいです。
C-5を真ん中の音を半音下げると Cm-5 になります。ここからさらに減7度(長6度)を追加すると Cdim というコードになります。
なぜ Cm6-5 ではないかと言うと、この章の冒頭の図を見てもらうと判りますが、ディミニッシュコードは基本コード(Basic Chord)のひとつなのです。
もうひとつ触れておく必要があるコードがあります。転回コード(分数コード)です。分数コードは、一番下の音がルートではないコードです。一般的にベースがルート音以外の音を弾く場合に使用します。例えばコードCは、C,E,Gの 3音から構成されているため、C/E や C/G の転回形があります。アニソンでも頻繁に出てくるのですが、ギターで弾くのは少々やっかいです。キーボードやピアノなら問題はありません。詳しいことは、この後の章に書きます。
ここまでいろんなコードを見てきましたが、ここから先は実際に各コードを弾いてみましょう。
3.キーボード、ピアノで弾く場合
まずは、キーボードまたはピアノで弾く場合です。
↑は、全てのキーのメジャーコードです。
これがベースになります。ここから真ん中の音、または一番上の音を半音上げたり下げたりしながら、テンション(4番目の音)を追加していきます。
コードCを例にして各コードへの変化を一覧表にして見ました。
寒色系の矢印は、変化系の音の移動です。3度または5度の音が変化しています。
暖色系の矢印は、テンションの追加です。6度または7度の音が増えています。
(※この図は、あくまで判りやすく説明するための図であり、コード理論的には正確ではありません。ご容赦下さい。)
キーボードの場合は、これさえ覚えておけば問題ありません。
後は、2つ前の図のメジャーコードをベースに音を変化または追加すれば、どんなコードでも演奏することができます。
むしろ、慣れるまではキーを覚える方が大切かも知れませんね。前段では「ここは無視 しても構いません」と言ったので飛ばした方も多いかも・・・。
キーは、頑張って覚えよう、としなくてもいろんな曲を弾いていれば自然と身に付くと思います。どうしても、機械的に覚えたい方は、ピアノの転調練習をすると良いと思います。一例を挙げると、CM7→D7→Bm7→Em7→Am7→D7→G(GM7)、という一連のコード進行をキー F から順に F→C→G→D→A→E→B→F#→D♭→A♭→E♭→B♭→F、と12回転調を繰り返して元のキーに戻ります。(この辺りの話は後日加筆します)
これは余談ですが、
初めてコードを弾く方で間違い安いのがキー F#(またはG♭)の表記です。
キーがF#の場合、7度は F ではなく E# になります。
同様にG♭の場合、4度は B ではなく C♭ になります。
もちろん、演奏するコードの押さえ方は E#=F、C♭=B で同じです。
4.ギターで弾く場合
続いて、ギターで弾く場合です。
ギターコードと言って真っ先に思いつくのが↑のようなコード一覧表ではないでしょうか?
ここから先は、あくまで私の主観ですが、この弾き方はアコースティックギターの場合は良いのですが、エレキギターの場合は必ずしも適していないと考えています。理由は2点あります。
1)音数が多すぎると歪ませた時にやかましい(でしゃばりすぎる)
2)せっかくギターを始めた初心者が挫折してしまうことがある
それにこのコードが既に弾ける人は、きっとこんなページを見ていないはず!(笑)
だったら、もっと簡単に弾きましょう!
どや? 単なるパワーコードですが・・・。
↑のパワーコードについては アニソンパワーコード編 にも書いていますので、ここでは導入部の説明は割愛します。
1点だけ補足しておきます。ここで説明しているパワーコードは、アコースティックギターには適していません。アコギを弾こうとしている方は、頑張って最初に書いたフルコードを練習して下さい。
さて、ここから先はパワーコード編の最後に書いた余談の内容をもう少し深堀していきたいと思います。
まず、おさらいです。
パワーコードは、1度と5度の音のみを弾いています。
メジャーコードでもマイナーコードでも3度の音は弾きません。
各コードをパワーコードで弾くとこうなります。赤色の音がパワーコードで弾ける音です。
C、Cmは問題ありません。C7、Cm7、CM7、CmM7もテンションが無いので若干寂しい音になりますが、他の楽器に紛れればなんとかなります。
C6、Cm6、Csus4は、実際に合わせて弾いてみると判りますが、違和感を感じます。
5度が増減する C-5、C+5、Cm-5、Cdimは、パワーコードでは弾けません。
では、まずマイナーコードへの変化から見ていきましょう。
コード F を例にして音を分解すると ← のようになります。
コード F の構成音は、F-A-C ですがパワーコードでは 4~6弦の F と C だけ押さえています。ここに 3弦 2フレットの F を追加すれば完全なコードになります。
Fmは、長3度の A が半音下がって短3度の Am になるので、3弦の押さえる位置を 1フレットに移動します。
まとめると、6弦から始まるメジャーコードは 0-2-2-1、マイナーコードは 0-2-2-0
のフレット間隔で押さえばOKです。
続いて、5弦から始まるコードの場合ですが、判りやすいようにコード C を例にしてみます。
5弦から始まるメジャーコードは
0-2-2-2、マイナーコードは 0-2-2-1
のフレット間隔で押さえばOKです。
まとめるとこうなります。まず、パワーコードに 1音足して 4つの弦で弾くメジャーコードの一覧表です。
上段は、5弦から始まるコードですが、こっちは簡単です。下段は、6弦から始まるコードですが、こっちはいわゆるバレット系の押さえ方になる為、慣れるまでちょっと時間がかかるかもしれません。
続いて、パワーコードに 1音足したマイナーコードの一覧表です。
上段の5弦から始まるコードはバレット系です。下段の6弦から始まるコードは、ちょっと押さえづらいですね。
さて、ここから他のコードへ移りたいのですが、単純にコードを展開すると↑のようになります。
が、見ての通り、中には明らかに無理のある押さえ方になってるコードもあります。これは5弦から始まる C の例ですが、
↑は、6弦から始まる F の例です。繰り返しになりますが、これはあくまで基本形です。実際には、開放弦を使ったり転回コードを使用することでもっと簡単に弾ける場合があります(特に D系のコード)。ただ、その為にはルート音によって異なる押さえ方を覚える必要がある為、とりあえずどんなルート音でも同じ押さえ方で弾けるこの基本形は覚えておいて損はありません。
では、まとめに入ります。
まず、フルコードで書いたマイナーコードです。ちょっと前に書いた4つの弦を弾くマイナーコードにさらに1音追加しています。
この中で変則的なのは、Dm のみです。Amは、下段に書いています、上段と同じ5弦から始まるコードで、A#mより 1フレット左側で開放弦を使っています(この後の図も同様です)。
ドミナント7thコードです。
C7 と G7 はそれぞれメジャーコードから3弦と1弦が変化しています(赤色の音)。
マイナー7thコードです。
この中で変則的なのは、同じく Dm7 のみです。
メジャー7thコードです。
FM7が変則的な押さえ方になっています。
sus4コードです。
sus4は、Csus4 → C のようにルートコードへ向かって進行することが多いため、↑の図ではsus4からルートへの移動を灰色の矢印で示しています。
【2012/08/19記】
すみません、ここまで書いたところで 力尽きました。
続きは、後日加筆します。まだ校正していない為、間違っているところがあるかもしれませんが、ご容赦下さい。(_ _)