2022/03/17 作成、2022/03/18 更新
エイシンフラッシュ(ウマ娘)と第77回日本ダービー
概要
このページでは、ウマ娘プリティダービー チーム競技場BGM ページの余談に書ききれなかった、エイシンフラッシュ(ウマ娘)と第77回日本ダービーについて紹介します。
当時、私は府中市に在住していたため、東京競馬場には何度もレース観戦に行きました。その中でも印象に残っているレースのひとつが、2010年の第77回東京優駿(日本ダービー)です。この年のダービーは、JRAの公式サイトでも「史上最高の好メンバー」と書かれるほど、素晴らしい馬が揃いました。そして、その事前評価通りの熱いレースが繰り広げられました。
エイシンフラッシュ(ウマ娘)
ウマ娘がサービス開始して以降、ずっと待ち望んでいたエイシンフラッシュが2021年 8月20日に実装されました。私はガチャ89連でお迎えすることができました。このエイシンフラッシュのモデルこそが、第77回東京優駿(日本ダービー)の優勝馬です。
第77回東京優駿(日本ダービー)
通常開催時の競馬場入場券は柄がデザインされていないシンプルなチケットですが、G1レース開催時は綺麗な写真が印刷された特別な入場券が配布されます。第77回東京優駿(日本ダービー)の入場券には、前年に優勝したロジユニヴァースが印刷されていました。また、日本ダービー(第11レース)の後に開催される第12レース「ウオッカメモリアル第124回目黒記念」もチケットに印字されています。
2010年 5月30日 15:00、パドックでは日本ダービーに出走する馬が周回していますが、既にスタンドでは大勢の観客が発走を待っています。この後、時間が進むにつれて観客の数が増え、スタンドの通路も立ち見客(実際は階段に座っています)で埋まります。
この当時は、まだF2.8/200mmの望遠レンズを所持していなかったため、F5.6/150mmの初心者用レンズで撮影しています。また、この日は曇り空で日差しも無く、観客席から見たコースは薄暗い状況でした。そのため、速いシャッタースピードで切ることができず、全ての画像がブレています。ご容赦ください。
出走準備
15:10、出走時刻30分前になりスターティングゲート(発馬機)の設置準備作業が始まりました。日本ダービーは、芝2,400mのため、大勢の観客が見つめるメインスタンドの前からスタートします。返し馬があるため、スターティングゲートはダートコースまで移動したところで待機しています。
15:20、ターフビジョンに地下馬道を移動している出走馬の画像が映し出されました。場内も盛り上がってきました。画面には、2番レーヴドリアン、3番ルーラーシップの姿が見えます。黒・黄に赤のクロスが特徴的なサンデーレーシングの勝負服がひときわ目につきますが、本日サンデーレーシングからは4頭出しです。
本馬場入場
先出しで登場したのは4番人気3番ルーラーシップ、主戦ジョッキーである岩田康誠に代わり四位洋文が騎乗しています。ルーラーシップは、後にアーモンドアイやクロノジェネシスと戦った菊花賞馬キセキを輩出しています。
人気上位2頭がターフに入ります。1番人気の7番ヴィクトワールピサ(皐月賞)、2番人気の9番ペルーサ(青葉賞)です。今日のオッズは、この2頭が抜きに出ており、3番人気のヒルノダムールまでが一桁配当です。
間に挟まれたのは、5番人気の8番ローズキングダム(朝日杯フューチュリティステークス)、手前で返し馬に向かったのは4番サンディエゴシチー(札幌2歳ステークス)、その後ろは5番コスモファントム(京都新聞杯2着、丸外)です。
返し馬
シャッタースピードが遅く画質が悪いですが、1番人気、皐月賞馬のヴィクトワールピサです。デビュー戦2着を除けば、ここまで重賞3連勝を含む5連勝。ヴィクトワールピサの二冠と共に岩田康誠ジョッキーの初ダービー制覇を目指します。皐月賞に引き続きダービーも、毎日杯で落馬負傷により武豊騎手からの乗り変わりです。
本馬場入りした多くの馬が返し馬でスターティングゲート方向へ走る中、1番エイシンフラッシュ(皐月賞3着)、2番レーヴドリアン(きさらぎ賞2着)、9番ペルーサ、10番トーセンアレスの4頭が反対方向の1コーナー付近に待機しています。
2番人気の9番ペルーサです。皐月賞には出走していないものの、ダービートライアルの青葉賞で圧勝、4戦4勝の無敗でダービーに挑みます。ヴィクトワールピサとほとんど差が無い2番人気に支持されています。鞍上は、冒頭で紹介したG1記念入場券に印刷されていたロジユニヴァースで昨年ダービージョッキーになった横山典弘騎手です。
セレモニー
ゲートイン
最初にゲートインしたのは、11番ハンソデハンドに騎乗する蛯名正義騎手。その後、続々と奇数番号の馬がゲートインします。続いて偶数番号の馬がゲートインして、最後に大外17番トゥザグローリーがゲートに収まります。
レース
ここから先はレースを見るために、カメラのファインダーを覗かずに適当にシャッターを切っているため、ブレているだけではなく構図がおかしい画像も出てきます(トリミングはしています)。ご容赦ください。
馬群は、中央高速の高架が見える東京競馬場の向こう正面を疾走中。6番アリゼオがハナを取って逃げ、続くのは16番シャイン、5番コスモファントム、17番トゥザグローリー、ヴィクトワールピサが5番手、ペルーサは後ろから3番手に控えています。エイシンフラッシュは中団やや後ろの10番手。
先頭集団は団子状態で正面スタンド前を通過、ここまでは接戦で末脚勝負の展開になりました。先頭は内からトゥザグローリー、ゲシュタルト、ローズキングダムの3頭。ここまで逃げたアリゼオは失速、馬群の中央からヴィクトワールピサとエイシンフラッシュ、ペルーサは外から追走。
そして、この集団から抜け出したのはローズキングダムとエイシンフラッシュの2頭。
内エイシンフラッシュ、外ローズキングダムの2頭が流れ込むようにゴール板の前の通過。自分が観戦していた正面スタンドからは、ゴールの瞬間にどちらが勝ったか判りませんでした。周囲の観客からも「どっちだ?」と言う声が多く聞かれました。
東京競馬場のターフビジョンにリプレー映像が流れます。ゴール手前で内エイシンフラッシュが外ローズキングダムを差し切っている画像が映し出されると、場内の観客から歓声が沸き上がります。1着は、7番人気のエイシンフラッシュ!
日本ダービーにふさわしい見応えのあるレースを繰り広げてくれました。JRAの公式ホームページにも今日のダービーについて、以下のように記載されています。
「最高」の日本ダービーは「最高」の末脚を使った両馬による決着となったのである。
ウイニングラン
確定しました。1着エイシンフラッシュ、2着ローズキングダム、3着ヴィクトワールピサ。エイシンフラッシュは、7番人気。2番人気のペルーサは6着に沈みました。単勝31.9倍、3連単1,521.9倍の高配当でした。
電光掲示板には、クビ差で勝利したエイシンフラッシュの「1」が表示されています。表示されている上がり3ハロン33.4秒はレースタイムであり、エイシンフラッシュは日本ダービーで過去最速タイムの32.7秒を記録したことにより一躍有名になりました。2着のローズキングダムも32.9秒で、奇しくも同日に開催された「ウオッカメモリアル第124回目黒記念」のレースタイトルとなった、ウオッカの記録をこの2頭が破りました。
表彰式
エイシンフラッシュで初めて日本ダービーを制覇して、ダービージョッキーとなった内田博幸さんです。隣は、馬主である平井豊光さんの長男の平井宏承さんと調教師の藤原英昭さんです。エイシン冠のクラシックはこれが2冠目でダービーは初制覇、藤原英昭さんもG1はこれで6勝目ですがダービーは初制覇です。
エイシンフラッシュ(ウマ娘)とエイシンフラッシュ
ウマ娘のエイシンフラッシュの勝負服デザインは、とてもよく出来ています。エイシンフラッシュがドイツからの持込馬のため、ドイツの民族衣装ディアンドルをモチーフにしています。スカートの赤と黒のストライプは、平井豊光オーナーのエイシン冠の勝負服からデザインされています。エイシンフラッシュは黒鹿毛ですが、実際の毛色にはかなり濃い黒色であり、キャラの髪色に反映されています。
ウマ娘ゲーム内のエイシンフラッシュのイベントも史実に沿って作られています。特にこの日本ダービーの前後は...。ネタバレ防止のため、これ以上は書きませんが、この年のクラシック戦線を見てきた方なら察しが付くと思います。
ここで紹介した第77回東京優駿(日本ダービー)は、ゲーム内のメインストーリ第3章ウイニングチケット編の第10話の冒頭でも少しだけ登場します。
史上最高メンバーのダービー。そう言われていた。
そのとき揃った、あまりにも煌びやかなメンバーの中で、
君は特別な存在ではなかった。
エイシンフラッシュが7番人気であったことから、背後に6人のウマ娘のシルエットが描かれています。残念ながら、2010年クラシック組の中でウマ娘のゲームに実装されているキャラはエイシンフラッシュのみです(同年の牝馬クラシックに出走していないカレンチャンは実装されています)。権利の都合で実装不可能な馬は、馬名を少し変えてモブキャラとして実装されていますが、エイシンフラッシュの日本ダービーにはそのようなキャラは登場しません。つまり、2010年組の馬は追加実装される可能性が残されていると信じています。ちなみにシルエットの6人+トゥザグローリーの詳細は、以下の通りです。
・ヴィクトワールピサ:
海外を含むG13勝の皐月賞馬でグランプリ1勝。そして、産駒のシャリオドールがエイシンフラッシュとの間に重賞馬を輩出しています。最も実装に近い馬と考えています。
・ヒルノダムール:
エイシンフラッシュが2着に敗れた春天の優勝馬。皐月賞2着だが4歳で本格的に頭角を現し凱旋門にも挑戦。父がサンデーサイレンス産駒で実装済みのマンハッタンカフェ。
・ペルーサ:
G21勝。父がサンデーサイレンス産駒でサポカ実装済みのゼンノロブロイ。G1未勝利ですが、カノープスの追加メンバとしてならワンチャン...。
・ローズキングダム:
クラブ馬のため、残念ながら、現時点で実装は難しいです。母父は、サンデーサイレンス。
・ルーラーシップ:
クラブ馬のため、残念ながら、現時点で実装は難しいです。母は、実装済みのエアグルーヴ。
・アリゼオ:
クラブ馬のため、残念ながら、現時点で実装は難しいです。母父は、サンデーサイレンス産駒で実装済みのフジキセキ。
・トゥザグローリー:
クラブ馬のため、残念ながら、現時点で実装は難しいです。母父は、サンデーサイレンス。