2017/04/26 作成
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初めて楽器を買うのは、なかなかハードルが高いと思います。
そこで、私なりに楽器を買うポイントをまとめてみました。楽器初心者向けの話です。
まずは、楽器屋へ行こう!!
1. 店頭販売 or 通販?
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初めて楽器を購入するときに最初に考えるのが、「店頭販売と通販のどちらが良いか?」ではないでしょうか。
私は、絶対に店頭販売をお勧めします。
新品だろうと中古品だろうと、実際に店頭で触って、弾いて、聴いて買う方が良いです。初めて楽器店に足を踏み入れることに躊躇する人もいるかもしれませんが、ここから先の話ではその辺りも書いていきます。
2. 誰と買いに行く?
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あなたの身近に楽器の経験者はいますか?
いるなら話は早いです。その人と一緒に楽器屋に行きましょう。経験者なら楽器購入時にいろいろと相談に乗ってもらえると思います。
問題は、身近に楽器経験者がいない場合 です。このページでは、楽器未経験者が楽器を購入する場合についてふれていきます。
一人で買いに行っても大丈夫です!
3. ギター購入編
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ここから先は、ギター編、キーボード編の2つに分けて書きます。
まずはギター編です。ギターと一口に言っても、アコギとエレキがあり、エレキの中にもストラト、レスポール、テレキャス、RGなどなど、いろんな種類があります。ですが、「ギターを購入したい!」と考えた時点で既にあなたの頭の中には、
こういうギターが欲しい!
というイメージが浮かんでいるのではないでしょうか? 初めて購入するギターは、そのイメージに忠実で良いと思います。弾き心地とか音色とかフレット数とかネックの握り具合とかブリッジの種類とかそういうものは、ギターに慣れ親しんできた頃にあらためて考えれば良いでしょう。ちなみに私が最初に購入したギターは、左の写真のストラトです。楽器屋へ行く前からイメージしていたギターを買いました。
4. 購入時の試奏は?
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買ってから後悔しないためにも、ギター購入時には必ず試奏させてもらいましょう。問題は、ギターを弾けない人が購入する場合ですよね。ここで、
店員さんに代わりに弾いてもらう
という手があります。私は初めてギターを購入したときも、初めてベースを購入したときも、店員さんに弾いてもらって楽器を選びました。楽器店の店員さんは、もちろん楽器好きで腕に覚えがある人達です。こっちが楽器初心者だということを隠さずに言えば、丁寧に説明してくれます。
こんな音が出せるのなら、自分も弾いてみたい!
と思えたら、しめたものです。
5. ギターの値段は?
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次に考えるのが、「いくらぐらいのギターを購入すれば良いか?」、ではないでしょうか?ここは、あなたの予算の都合もあるので、一概には言えませんが、個人的には
「楽器を弾けるようになる!」という強い意思があるなら、それなりの出費を!
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本気で楽器を始めたいなら、個人的には格安ギターの購入はあまりお勧めしません。理由は、「私の過去の失敗経験」と「途中で投げ出さない覚悟」の2点です。
まず失敗経験ですが、私が最初に手にしたのは、友人から5,000円で譲り受けた格安中古ギターでした。しかし、あまりにも弾き辛く、すぐに投げ出しました。次に店舗で購入したギターは、1本目が12万のストラト 、2本目が 11万のRGです。キーボートとは違い、ギターは10万も出せばかなり良いギターが購入できます。このストラトは、最初の格安中古ギターとは、弾きやすさが雲泥の差でした。この時、「もう少し早くこれを買えばよかった」と後悔しました。もちろん、1~2万円台の格安ギターではダメとは言いません。でも、時には自分を追い込む覚悟も必要ですよ。
10万出して買ったギターは、そう簡単にはやめられない!
6. 本体以外に何を買う?
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当然ギター本体だけでは音が出ません。それでは何を買えばよいでしょうか? おそらく、真っ先に思いつくのはアンプですよね。ですが、
私はギターアンプを使用しません。
ここから先は、あなたがどのようなスタイルで演奏するか、により必要なものが変わってきます。無難に行くなら、アンプ、チューナー、シールド(フォンケーブル)、ピックを購入すれば大丈夫です。安いスタンドを買うのもお勧めです。バンド活動を予定している人は、ソフトケースも忘れずに。替え弦は、切れてから買えばOK。
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アンプを買わない場合 について少しだけ触れておきます。
端的に言えば、ライン録りをメインにする場合です。最小セットで以下の2つのパターンが考えられます。1つ目は、アンプ代をマルチエフェクターにまわすケースです。マルチエフェクターにはアンプシミュレータも付いており、これで十分な場合があります。2つ目は、既にパソコンを持っている人がオーディオインターフェース経由でUSB接続する場合です。どちらのケースもアンプを買う必要はありません。ちなみに、私は初めてギターを購入した時は、上のケースから入り、現在はこの2つの合わせ技を使っています。
7. エフェクターを買おう!
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ギターと一緒にエフェクターを買うことを強くお勧めします!!
どんなジャンルの曲を弾くかにもよりますが、個人的にはアンプを買うくらいなら、その金をエフェクターに回した方が良いと考えています。そのくらいエフェクターは重要なアイテムです。
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どのエフェクターを買えば良いかは、「どのようなスタイルでギターを弾きたいか?」で決まります。仲間といっしょにバンド活動をやりたいなら、コンパクトエフェクターから入るのが無難です。ディストーションやオーバドライブから入る方が多いと思います。個人活動やライン録音をしたいならマルチエフェクターをお勧めします。理由は、「スタジオで練習するならコンパクトエフェクターで十分」、「自宅で練習するならステレオ出力のマルチエフェクターの方が便利」だからです。
エフェクターは、中古品でも十分です。私が使用しているZOOM GFX-8は、1999年製の定価 29,900円のマルチエフェクターですが、現在も中古品で 3,000~8,000円前後で取引されています。ただし、中古品で安いからと言っても、
1台目にラックタイプはお勧めしません。
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参考までにざっと計算すると、ギター本体 100,000円+マルチエフェクター(中古)10,000円+チューナー1,000円+シールド 500円+スタンド 500円+ピック 100円× 3枚=112,300円です。アンプを追加しても120,000円ですね。バイトできない学生さん等、これでは高すぎる場合は、ギター本体のグレードを落とせばよいと思います。
中古エフェクターは、楽器店に限らず、ハードオフのような中古ショップで掘り出し物が見つかることもあります。
8. キーボード(シンセサイザー)購入編
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続いて、キーボード(シンセサイザー)編です。
昔は、「これを買っておけば大丈夫!」という定番のキーボードが存在しました。例えば、KORGならM1→01WFD→Trinity、YAMAHAならDX7IIFD→SY77→SY99、RolandならD-50→XP-50→XP-80、と言った感じです。しかし、今の時代はそういうキーボードが少なくなりました。
そこで、実際に店頭で弾いて気に入ったものを買う、これしかないと思います。
9. ヘッドフォンで試奏
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おそらく、キーボードの購入を検討している方は、少なからずピアノの経験があるのではないでしょうか? それなら店頭で実際に弾かせてもらいましょう。「他のお客さんや店員さんに自分の演奏を聴かれたくない!」という方は、
ヘッドフォンを借りて弾きましょう。
楽器屋の店頭には、必ず試奏用のヘッドフォンが用意してあります。ヘッドフォンさえあれば、周囲を気にすることなく試奏に専念できます。
10. 音色チェンジ

初めてキーボードを弾く人は、音色の切り替え方法が判らないかもしれません。そんな時は、遠慮なく店員さんに質問しましょう。楽器屋の店員さんは、丁寧に教えてくれるはずです。ほとんどのキーボードは、バンクやグループと言う「音色のセット」が存在します。例えば、Rolandのシンセなら、A・B・C・D・・・・というバンクにそれぞれ128種類の音色がプリセットされています。つまり、「バンクを選んでから音色を選ぶ」という操作方法が一般的です。KORGやYAMAHAの製品でも基本的な音色の選択方法は、ほぼ同じです。
11. ピアノで選べ!!
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キーボードを選ぶポイントとして、
気に入ったピアノの音色で選ぶ!
ことをお勧めします。キーボードには、さまざまな音色がプリセットされています。しかし、実際の使用頻度は、ピアノが圧倒的に多いはずです。ピアノの音色は、キーボードを選ぶ重要なポイントです。ピアノの音色は、メーカによりかなり異なります。気に入った音色を探しましょう。
12. 鍵盤の数は?
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続いて、何オクターブ必要か? 考えましょう。
キーボードには、61鍵、76鍵、88鍵の 3種類があります。61鍵は 5オクターブです。76鍵は、61鍵と比べて低音がEまでの 8音、高音がGまで 7音追加されています。88鍵は、ピアノと同じフルスケールの鍵盤です。キーボードでクラシックのようなピアノ曲を弾きたい場合は、88鍵が必須です。問題は、61鍵と76鍵の選択ですが、ライブなど持ち運びが必要な場合は、61鍵をお勧めします。61鍵と76鍵では意外と重量やサイズに差があります。61鍵ではトランスポーズ(音域の上げ下げ)しないと弾けない曲がありますが、テクニックで補うことも可能です。実際私も61鍵で弾くときは、頻繁にトランスポーズで音域を上げ下げしています。
13. キーのウェイトは?
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キーボードのキーには、キータッチの重さにより、シンセタッチ、ライトウェイト、ピアノタッチなど様々な種類があります。61鍵はほとんど軽いシンセタッチで、88鍵はほとんど重いピアノタッチです。中間の76鍵はどちらの種類もあります。どちらが良いか考えるよりも、店頭で実際に弾き比べてみるのが一番です。
14. 中古品は要注意
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中古キーボードはお勧めしません。
理由は簡単で、鍵盤部が磨耗している可能性があるからです。ピアノを習っていた方なら誰でも一度は経験していると思いますが、長いあいだ弾きつづけていると、遅かれ早かれキーは壊れます。せっかく安く買っても、結果的に高くつくリスクを考慮した上で中古品を買いましょう。
ちなみに、キーボードではなく音源モジュールやエフェクターであれば、むしろ中古品の購入をお勧めします。私も中古品をたくさん使用しています。ただし、品選びはくれぐれも慎重に!
それでも中古キーボードを購入したいという方のために、参考までにENSONIQ KS-32のキーボードをオーバーホールした時のレポートを こちらのページ で紹介しています。
15. キーボードの値段は?
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ギターとは違ってキーボードの値段は、算定するのが難しいです。
61鍵でピアノ・エレピ・オルガンのような代表的な音色のみ十分な場合は、話が早いです。10万円も出せば、1台目としては十分なキーボードが購入できます。問題は、ピアノの代替や宅録のように楽曲作成を考えている場合です。まず、ピアノ代替の場合は、やはり20~30万円前後のキーボードでないとなかなか満足できないと思います。楽曲作成する場合は、「これ 1台で十分!」というシンセサイザーを見つけるのは難しいです。最初から高いゴールを目指すといくらお金があっても足りません。予算と目標を考えて必要な器材を選択して下さい。音楽活動を始めると、ミキサー、エフェクター、パッチベイ、レコーディングソフトウェアなどなど次から次へと器材が欲しくなるはずです。
周辺機器を集めだすとキリがありません。
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ヘッドフォンで練習する方は問題ありませんが、ヘッドフォン使用しない場合はスピーカーが必要です。最初に買うなら、アンプ付きの小型のモニタがお勧めです。左の写真は、当時私が使用していた16Wのスピーカーです。もちろん、このタイプのモニタはフォン入力端子が付いています。
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楽器は楽しいです!!
もし、「楽器を始めたい」と感じたら、まずは楽器屋さんへ行って見てください。バイクでも楽器でも、新しい世界へ踏み込む瞬間は楽しいですよ!