2014/01/14 作成、2020/04/20 更新
1.資材売買の基礎
1-1.工場の資材生産
まずは、工場の基礎について整理します。
工場は、1営業日につき 22個の資材を生産します。一週間( 5営業日)で22×5=110個です。工場(大)の敷地には、128個の資材が置けるため、
一週間放置しても倉庫は満杯になりません。
工場の利益は、資材 1個につき、
・売上:200,000円
・原価: 80,000円
・利益:120,000円
となります。しかし、実際には、工場の維持管理費が 1,230,000円/日(景気により増減)発生するため、維持管理費込みの資材原価は、164,000円/個、利益は 36,000円/個 になります(計算式は後述参照)。
工場の利益は薄利 です。
工場(大)を1年間運用した場合の収支は、
営業利益:約 2億円/年
純利益:約 1億2千万円/年
となります。工場の維持管理費(費用)が景気により増減するため、これは景気がゼロの場合の理論値です。また、別途、資産税が課せられます。計算式の詳細は、以下の表を参照してください。
項目 | 値(1年) | 計算式 | 備考 |
---|---|---|---|
資材生産数 | 5,346個 | 243日×22個/日 | 年間の平日が243日と仮定 |
製造原価 | 4億2,768万円 | 資材生産数× 8万円 | 資材の製造単価は、8万円 |
売上 | 10億6,920万円 | 資材生産数×20万円 | 資材の売却単価は、20万円 |
維持管理費 | 4億4,895万円 | 365日×123万円/日 | 景気=0で123万円/日(景気により増減) |
経費 | 8億7,663万円 | 原価+管理費 | |
営業利益 | 1億9,257万円 | 売上-経費 | 税引き前利益 |
消費税 | 5,346万円 | 売上× 5% | |
法人税 | 1,391万円 | (営業利益-消費税)×10% | 経営黒字の場合のみ |
純利益 | 1億2,519万円 | 営業利益-消費税-法人税 | 資産税を除く |
上記の計算式より、工場(大)で製造した資材の原価は、経費÷資材生産数=163,978円≒164,000円となります。
工場の建設費を工場のみで回収するには、営業利益ベースで25年、純利益ベースで39年 を要します。しかし、実際のゲームでは、後述の貨物列車が大きな利益を生みだすため、会社全体で考えると工場は高収益です。
1-2.貨物輸送と資材置き場
次に貨物列車と資材置き場について整理します。
貨物列車の利益は、資材 1個につき、
・収入:300,000円(積み降ろし時)
・支出:200,000円(積み込み時)
・利益:100,000円
となります。貨物列車の運行経費と管理費は少額のため、ほぼ全額が利益になります。
資材置き場の利益は、資材 1個につき、
・売上:400,000円(資材消費時)
・費用:300,000円(資材搬入時)
・利益:100,000円
となります。しかし、工場と同様に、資材置き場の維持管理費が 300,000円/日(景気により増減)発生するため、実際にはほとんど儲かりません。
工場で生産した資材を建設で消費した場合の収支をまとめると、以下のようになります。
収入(売上) | 支出(費用) | 営業利益 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
工場 | 200,000円 | 80,000円 | 120,000円 | 別途、維持管理費 1,230,000円/日が必要 |
貨物列車 | 300,000円 | 200,000円 | 100,000円 | 運行経費、管理費は少額 |
資材置き場 | 400,000円 | 300,000円 | 100,000円 | 別途、維持管理費:300,000円/日が必要 |
合計 | 900,000円 | 580,000円 | 320,000円 |
工場から貨物列車に資材を積み込むため、「工場の収入」と「貨物列車の支出」は同額です。貨物列車から資材置き場に資材を搬入するため、「貨物列車の収入」と「資材置き場の支出」は同額です。結果的に、資材消費時の収入から工場の原価を差し引いた 営業利益は 320,000円/個 になります。(この「営業利益」は、「税引き前利益」と同額です)
工場と資材置き場の維持管理費を日割りで計算して、税金も含めて再計算すると以下のようになります。
収入 (売上) | 支出(費用) | 営業利益 | 消費税 | 法人税 | 純利益 (税引後) | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
原価 | 維持管理費 | 計 | ||||||
工場 | 200,000円 | 80,000円 | 84,000円 | 164,000円 | 36,000円 | 10,000円 | 2,600円 | 23,400円 |
貨物列車 | 300,000円 | 200,000円 | 少額 | 200,000円 | 100,000円 | 15,000円 | 8,500円 | 76,500円 |
資材置き場 | 400,000円 | 300,000円 | 20,000円 | 320,000円 | 80,000円 | 20,000円 | 6,000円 | 54,000円 |
合計 | 900,000円 | 580,000円 | 104,000円 | 684,000円 | 216,000円 | 45,000円 | 17,100円 | 153,900円 |
税引き後の 純利益は 153,900円/個 になります。滞りなく資材を消費できれば、工場、貨物列車、資材置き場の全てが儲かります(現実は、資材置き場がほぼ赤字になりますが・・・)。
1-3.余剰資材の売却
しかし、実際のゲームでは、大量の余剰資材が発生します。そこで、上手く活用できるのが、
隣町に資材を売る 方法です。
隣町の資材価格は、購入時も売却時も450,000円/個です。工場で生産した資材を隣町に販売する時の利益は、資材 1個につき、
・収入:650,000円
・支出:280,000円
・利益:370,000円
となります。計算式の詳細は、以下の表を参照してください。
工場で生産した資材を隣町に販売する時の収支は、以下のようになります。
項目 | 収入(売上) | 支出(費用) | 営業利益 | 備考 |
---|---|---|---|---|
工場 | 200,000円 | 80,000円 | 120,000円 | 別途、維持管理費 1,230,000円/日が必要 |
貨物列車 | 450,000円 | 200,000円 | 250,000円 | 運行経費、管理費は少額 |
合計 | 650,000円 | 280,000円 | 370,000円 |
隣町に資材を売却すると、営業利益は 370,000円/個 になります。
工場の維持管理費を日割りで計算して、税金も含めて再計算すると以下のようになります。
収入 (売上) | 支出(費用) | 営業利益 | 消費税 | 法人税 | 純利益 (税引後) | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
原価 | 維持管理費 | 計 | ||||||
工場 | 200,000円 | 80,000円 | 84,000円 | 164,000円 | 36,000円 | 10,000円 | 2,600円 | 23,400円 |
貨物列車 | 450,000円 | 200,000円 | 少額 | 200,000円 | 250,000円 | 22,500円 | 22,750円 | 204,750円 |
合計 | 650,000円 | 280,000円 | 84,000円 | 364,000円 | 286,000円 | 32,500円 | 25,350円 | 228,150円 |
工場の維持管理費を考慮すると、資材1個あたりの 純利益は 228,150円/個 になります。資材置き場のコストが不要なため、地産地消より利益率が高くなりました。この方法により、貨物列車が莫大な利益を生み出します(後述参照)。
年間の純利益は、228,150円/個×5346個=12億1969万円 になります。
つまり、工場の建設費は、4年間で回収 できます。
1-4.コンテナ港の活用
港から資材を輸送する場合も、貨物列車で隣町に輸送する場合と仕組みは同じです。輸出した資材の売却益は、コンテナ港の売上 になります。資材を輸入した場合も港が資材の購入費用を負担します。つまり、「貨物列車」と「コンテナ港」が同じ役割を担っています。
資材の取引価格は、貨物列車で隣町に売買する時と同じ、450,000円/個です。コンテナ船の資材積載量は30個のため、450,000円/個×30個=1,350万円の売上、(450,000円/個-300,000円/個)×30個=450万円の営業利益 になります。
港の収益は、航路の距離が大きく影響します。往復に1時間半を要する航路であれば、1年間で270億円の営業利益 を稼ぐことができます。ただし、輸送する資材を生産するために、工場(大)22個(建設費1,082億円)が必要になります。
2.実践編
1つ前のページに記載した、初級マップ攻略編「ひしめきあう街」で実際に建築した工場地帯について触れます。1つの駅に工場(大)×12個、これが私の基本構成です。
仮に、生産した資材を全て売却すると、一週間で
2,750万円×12ヶ所=3.3億円
1年間で約172億円の収益(税引き前)になります。
この収益は、リニア新幹線の収益に比べれば少ないものの、A9の攻略では重要です。特に「株なしルール」でプレーしている場合、リニア新幹線が開通するまでの序盤戦の資金稼ぎにおいて、とても有効な手段になります。
これがクリア直前の「ひしめきあう街」のマップです。赤丸で記した 7ヶ所に工場地帯を設置しています。余剰資材を隣町に売るために、全てマップの端に位置しています。
単純計算すると、172億円× 7ヶ所=1,204億円/年ですが、実際には街中での資材消費量が多いため、これだけの利益は上がりません。
株ありルールでプレーする場合は、資金を十分に確保できるため、1つの駅に2つの貨物列車を配置しています。1つは建築用の資材を街中に運搬する編成、もう1つは隣町に売却する資材を運搬する編成です。売却用編成は、金曜日のみ運行しますが、余剰資材の量により土日に臨時運行します。
このように編成を配置すると、余剰資材にあわせた臨時列車の運行管理が楽になります。
日曜日には、工場の敷地が空になること
を徹底します。これで工場をフル稼働させることができます。
3.運行費用
貨物列車の運行で気になるのが、運行費用です。資材を運搬しても、街の資材置き場が満杯だと、利益を出さずに延々と走り続けます。DD51の場合、24時間走り続けると、約330万円 の経費を要します。Mc250の場合は倍の約620万円、EC6の場合は約560万円の経費を要します。
これを多いと見るか少ないと見るかは、マップや経営状況にもよりますが、貨物列車が億単位の利益を上げること考えると、ほとんど問題ないと考えるケースが多いと思います。
参考までに、貨物列車が資材の積載・荷降ろしするための最短停車時間は、資材を36個積載する DD51で 9分、32個積載する Mc250系で 8分 です。
この所要時間は、ゲーム時間倍率に依存しません。
4.資材売却の専用工業地帯
駅周辺の発展を無視して、可能な限り、資材工場を配置してみました。駅は地下にあります。工場は、79施設あります。資材の生産量は、22個×79施設=1,738個/日です。
全資材を売却する場合の貨物ダイヤ編成は、簡単です。「平日のみ運行」にすれば、10両×3編成で無駄なく売却できます。
左の画像がこの工業地帯のみで1年間運用した結果の決算情報です。
・初期投資額:5,171億円
(鉄道 309億、工場 4,862億)
・年間売上額:2,744億円
(鉄道 1,900億、工場 844億)
・税引前利益:1,178億円
(鉄道 1,010億、工場 168億)
・未払法人税:69億円
・未払資産税:224億円
年間収支:1,178-69-224 = 885億円
貨物列車だけ運用しても1駅+3編成のみでこれだけの利益を稼げます。もちろん、これだけ大きな工業地帯は、大量の乗客が見込めるため、地下に旅客列車を運行させれば、さらに膨大な運賃収益が見込めます。唯一の問題点は、
初期投資が莫大なこと です。
5.街の発展
A列車で行こう9は、工場と貨物列車による資材の入出荷(積み下ろし)だけでも、ある程度は街が発展します。もちろん、資材より客車で乗降客を増やした方が街は発展しますが、ご参考まで。
貨物列車を利用した街の発展については、街の発展 過疎地編 に記載しました。
6.資材置き場の有効範囲(距離)
資材置き場の有効範囲の公称値(マニュアルの記載値)は 600mですが、実際には600m離れた地点に建設することができません。実測値は、資材置き場(小)で595m、資材置き場(大)で598mでした。資材置き場の横幅は、小が20m、大が40mのため、中心地点からの距離で計算しても600mにはなりません。ちなみに、資材置き場を斜め45度に設置しても、0度、90度の時と有効範囲が変化しません。
目安としては、「駅の有効範囲の円(直径)よりやや小さめ」と覚えておくと良いかもしれません。