2016/10/23 作成、2016/10/26 更新
第47回 全国白バイ安全運転競技大会
2016年10月 8日~ 9日に茨城県の自動車安全運転センターで開催された第47回全国白バイ安全運転競技大会のレポートです。この大会では、2日間でバランス走行操縦競技、トライアル走行操縦競技、不整地走行操縦競技、傾斜走行操縦競技の 4種目が実施されています。残念ながら1日目の午後の トライアル走行操縦競技は、悪天候の為、競技中止になりました。 今年は、大雨の中で開催された大会となりました。
下の画像をクリックすると各競技のページへジャンプします。
全国白バイ安全運転競技大会1日目、午前中の第一競技は「バランス走行操縦競技」です。
10:45、競技開始10分前に赤色灯の付いた白バイによる試走が始まりました。
バランス走行操縦競技のコースを簡単に説明します。コースは、例年通りで変更ありません。
第1セクションは、パイロンスラローム、8の字旋回、小道路旋回の応用バランス走行(タイムトライアル)です。見所は白バイ基本テクの急加速・急減速と小旋回。第2セクションは、直線・曲線狭路と段差付き曲線一本橋のナローコース。ここは、基準タイムが26~30秒と決められており、早すぎても遅すぎても減点対象となります。第3セクションは教習所でもおなじみの回避制動です。
今年は、前半を第1セクション、後半を第2セクションで観戦しました。
10:55、バランス走行操縦競技開始。
一番手の富山県代表の白バイ隊員が勢い良くスタートを切ります。
まずは、第1セクション応用バランス走行のスタート地点を見てましょう。
後方確認は、基本中の基本動作です。もちろん、この大会でも徹底して実施しています。白バイ隊員は、後方の審判員が掲げているプラカードに書かれた車種を読み上げてからスタートします。
第1セクションでは、多くの隊員があらかじめハンドルを左に切った状態からスタートします。これは、スタートしてすぐに待ち構えているパイロンスラロームに備えてスタートしてすぐに車体をコース左端に寄せるためです。
スタートするとすぐに速度を上げてパイロンスラロームへと突っ込んでいきます。
序盤のポイント、8の字旋回です。白バイ競技大会の8の字旋回は、通常の8の字とは異なり、旋回ポイントと旋回ポイントの間隔が広く空いている、縦に長い8の字です。その分、急加速と急減速のコントロールが必要になります。
スタート直後のパイロンスラロームをクリアすると、最初の旋回ポイント目掛けて突っ込んでいきます。
急減速と同時にバイクを倒しこんで旋回。
バンクセンサーが接地すると減点になる為、ぎりぎりの角度まで倒しこんで旋回していきます。
最初の左旋回をクリアすると、次は反対の右旋回へ向けて突っ込んでいきます。
続いて、難関の小道路旋回です。これは苦手にしているライダーも多いですね。私も苦手です。
白バイ隊員が大声を張り上げているのは、後方確認してからスタートしているからです。
う~ん、手前の報道陣の頭が邪魔ですね・・・・。
8の字旋回と同様に、小道路旋回もバンクセンサーが設置するぎりぎりまでバイクを倒しこんで旋回していきます。
何度見ても白バイ隊員の小旋回は、鮮やかです、これくらいスムーズでキレ良く旋回できたら気持ち良いだろうな~。
第1セクションは、タイムトライアルなので、どの隊員も果敢に攻めてきます。難易度の高い小旋回では、当然、転倒することもあります。日本一の白バイ隊員を決める大会ですからね。
11:40、競技開始から50分が経過したところで、急激に雨が強くなりました。観客席も傘をさす人が増えた為、テントが設営されている第2セクション付近へ移動しました。
競技も一時中断して、審判員達が集まります。
審判員がレインウェアを着たところで競技再開です。
※ここから先の写真は、時系列に並んでいません。
屋根のあるテントの下から、第2セクションのナローコースの模様を観覧します。
スタートするとすぐに狭路に入ります。
難しいのは、この狭路が単なる直線では無いところです。途中で左→右→左と曲がっています。
ただでさえ狭路の幅は狭く、大型のCB1300ではギリギリのサイズです。とは言え、このセクションは30秒以内に通過する必要がある為、慎重すぎるとタイムオーバになります。
一番難しいのがココ、左から右へ大きく切り替えします。左端のポールぎりぎりまで車体を寄せてから切り替えしますがそれでもここでポールに接触する白バイ隊員が多いです。
そもそも大型のCB1300をこれだけ低速で操ること自体難しいですよね。倒立でバランスをとりながらゆっくりと進んでいきます。
無事に狭路をクリアすると次は一本橋です。教習上で実施している二輪教習の一本橋とは異なり、この競技の一本橋は途中でくの字に曲がっている上、さらに段差もあります。唯一違うのは、教習所とは違って指定された秒数以上をかけてクリアする必要が無い点です。
ほとんど白バイ隊員は、ここでクリアタイムを調整しています。最初の狭路で時間をかけ過ぎたと判断した隊員は、一本橋をさっさと渡って次の狭路に備えて時間を稼ぎます。
後半の狭路も油断大敵です。ここで焦ってクリアタイムを調整しようとするとポールに接触します。少しでもポールに触れれば容赦なく審判員の赤旗が揚がります。観客席から見ているとどこで接触したか判らないくらいのわずかな接触でも見逃さずに減点しています。
ここから先は、第1セクションの応用バランス走行をクリアした白バイ隊員の姿をお届けします。
第1セクションと第2セクションの間は、競技エリアの間隔と待ち時間がある為、白バイ隊員のさまざまな表情を見ることができます。
山形県代表の白バイ隊員は、明らかに悔しそうな表情をしていました。普段通りの実力が発揮できずに悔しがる隊員も多いです。これが全国大会のプレッシャーですかね。
思わず首をかしげてしまう白バイ隊員も多いです。競技中の隊員を見るのも良いですが、こうして競技終了後の隊員の姿を見るのもなかなか楽しいです。
深いため息をつく白バイ隊員も多いです。何しろ最初の競技の最初のセクションですから、バイクの操縦技術については百戦錬磨の白バイ隊員とは言え、さぞ緊張することでしょう。
山形県代表の白バイ隊員は、笑顔で第2セクションまで走ってきました。手応えあり、と言ったところでしょうか?
第2セクションのナローコースのスタートラインで競技開始を待つ白バイ隊員は、腕時計を見て「1秒」の感覚を体に叩き込んでいます。
ナローコースは、基準タイムが26~30秒と決められており、早すぎても遅すぎても減点対象となります。28秒± 2秒を目標タイムに微調整をしながらL字狭路と一本橋を走破しなくてはいけません。
他の白バイ隊員も同様に腕時計を見て感覚を調整しています。
埼玉県代表の白バイ隊員は、スタート前にコースを眺めてイメージトレーニングしていました。
新潟県代表の白バイ隊員は、目を閉じて精神統一中です。
同じく埼玉県代表の隊員は、白バイから降車して気持ちをリラックスさせていました。
同じく白バイから降車して体を動かしているのは、福岡県代表の白バイ隊員です。
落ち着いた表情で、じっと競技開始を待つ佐賀県代表の白バイ隊員です。
観客席からは、ナローコースのスタートラインで競技開始を待つ白バイ隊員に、声援が飛びます。競技中の白バイ隊員もこの時だけは、笑顔で声援に応えています。そんな、隊員達の表情が写った写真を集めてみました。
どの白バイ隊員も良い笑顔をしています。最初の競技の最初のセクションをクリアして、まずは一息、と言ったところでしょうか?
やっぱり、照れくさそうに笑っている白バイ隊員が多いです。それでも、リラックスして競技に挑めるのは良いですね。
普段、街中で巡回している時には絶対見られないような愛嬌のある笑顔を見せてくれた白バイ隊員もいました。左は、愛媛県代表の白バイ隊員です。
今日一番の笑顔を見せてくれたのは、石川県代表の白バイ隊員でした。リラックスして競技会を楽しんでいますね~。
午前中のバランス走行操縦競技が終わると、天候は悪化。競技会場は、ゲリラ豪雨に見舞われました。結局、午後のトライアル走行操縦競技は、悪天候の為、競技中止になりました。残念・・・。