2006/04/23 作成
3日目:紀伊半島のシーサイドライン
ツーリング3日目、早朝から好天に恵まれ、鮮やかな太平洋が広がっていました。今日はここ御坊から志麻まで、まる1日かけて海沿いに紀伊半島を回ります。約350kmに渡って続くシーサイドラインのスタートです。
まずは熊野街道こと国道42号線を使って南へ向かい、本州最南端「潮岬」を目指します。
御坊から30kmほど走ると、海水浴と温泉で有名なリゾート地「白浜」に着きました。一面に広がる真っ白な砂浜と鮮やかなコバルトブルーの海。噂どおりの綺麗な海岸でした。
バイクを停めて砂浜まで出てみましたが、オフシーズンの早朝とあってほとんど人が見あたりません。しばらく、海岸を散歩してみました。
白浜の周辺にはいろんな見所があります。
まずは白浜海岸の少し手前に、道路越しに変わった島(岩?)を見ることができます。島の中央に潮による浸食でできた穴(海食洞と言うそうです)が空いていることからから、「円月島」と呼ばれています。
白浜海岸から少し先へ行くと「千畳敷」があります。波の浸食により岩が幾重にも連なった広大な層状になっています。長い年月作り出した自然の景観は見事です。
他にも三段壁と呼ばれる海食洞窟などがあるのですが、時間の都合上、全てを回ることができませんでした。
ここ白浜は、どこへ行っても鮮やかな蒼色の美しい海が広がっています。
紀伊半島を太平洋岸沿いに伸びる国道42号線は、絶好のシーサイドラインです。
時より美しい海岸線を見つけては、路肩にバイクを停めて、海まで歩いてみます。日が高くなるにつれて気温も上昇して、心地よい海風が吹いてきました。
串本まできたところで国道を離れて潮岬周遊線に入ります。
この道の先に本州最南端の地「潮岬」があります。潮岬タワーに登って外を眺めると、広い芝生の先に最南端の石碑が見えます。その先に広がる大空と海原。眺めも良くとても気持ちの良いところでした。
ちなみに、本州最北端は青森県の大間岬です。
(第五弾ツーリング記参照)
串本の少し先に「橋杭岩」があります。海から突き出た大小の岩々が壮観です。ここは潮の満ち引きで様々な景色が見られるのですが、この時はちょうど干潮でほとんどの岩が剥き出しになっていて、すぐ側まで歩いて渡ることができました。満潮時には、岩が海面から突き出ているように見えるそうです。
「那智勝浦」まできたところで、かなり遅い昼食を取ります。ここ那智勝浦と言えば名物はやっぱりマグロ!
港の中にある「ますだ」は、まぐろシューマイを始めとしたまぐろ料理の店です。この日は、どうしても食べたかったまぐろの握りを注文しました。世間では脂ののった中トロだの大トロだのが好まれているようですが、脂は少ない赤身の綺麗なこの握りは、見た目だけでなく味も最高でした。脂身の少ない上質の赤身も美味しいです。
ここまでのんびりと海を眺めながら走ってきたせいか、さすがに残り時間が無くなってきました。ここからは写真を撮るのを控えて、いっきに志麻まで走りました。
最後にホテルで撮った1枚。左は途中で買ったアサリ飯です。右は実家へのお土産としてダンボール詰めされた和歌山みかん10kmパックを宅配で注文した時に、お店のおばちゃんからもらったみかんです。
「もっていきなさい!」と両手にいっぱいのみかんを頂きました(笑)
4日目:早朝のお伊勢参り
最終日は、朝からあいにくの雨模様。
志麻から15km北上して「鳥羽」まできたものの、悪天候で海も荒れていた為、そのまま「伊勢」へ向かいます。
鳥羽から西へ10km走って「伊勢神宮」へ。伊勢神宮には、外宮と呼ばれる「豊受大神宮」と内宮と呼ばれる「皇大神宮」がありますが、その距離は 5kmほど離れています。ここは、内宮です。大鳥居の先には、五十鈴川にかかる「宇治橋」が見えます。
現在時刻は朝6:30。さすがにまだ観光客は誰もいません。
静寂に包まれた神苑を歩いてきます。内宮の参道はかなり広いです。正宮へと続く参道には、巨大な樹木が建ち並び、いっそう神秘的な雰囲気を引き立てています。
参道の一番奥に正宮があります。
正宮の正面は撮影禁止の為、階段の下から写真を撮ります。
伊勢神宮には、6歳の時に一度訪れているのですが、さすがに当時の記憶はぼんやりとしかありません。ここに来れば、少しは思い出せるかなと思っていたのですが、残念がなら当時の記憶は蘇りませんでした。鳥羽でミキモト真珠島へ行った記憶は鮮明に覚えているのですが、伊勢神宮には興味がなかったのかもしれませんね。
この頃になると、雨が本格的に降ってきて、撮影もままならない状態に。
足早に雨降る参道を戻り、伊勢神宮を後にします。
伊勢神宮の内宮前には「おかげ横町」と呼ばれる、江戸から明治時代の風情を再現した商店街があります。通りの路面は綺麗に整備されていますが、両側に立ち並ぶ建家は、どれも時代を感じさせます。
早朝とあってどの店も開店前ですが、そのなかで1店だけ営業している店があります。伊勢土産として有名な「赤福本店」です。
さっそく店内にはいると、内装はシックな作りでした。なかなか良い雰囲気です。赤福のホームページには、創業当時の古い写真が掲載されていて、現在と見比べると時代を感じることができます。
奥の座敷にあがって、障子の外に見える五十鈴川を眺めながら、くつろぎます。しばらくすると注文していた赤福がきました。ここ赤福本店では、できたての赤福をいただくことができます。
←は、赤福3個とほうじ茶が付いた「盆」です。この濃厚で甘いあんこは絶品です。
ちなみに、この赤福は五十鈴川を流れる姿を表現していて、あんこに付いた三本線が河のせせらぎを、中の白い餅が川底の白石を表すそうです。
会社のお土産と帰ってから自分で食べるように、20個入りを1箱と、10個入りを2箱購入。
天候がますます悪化してきた為、伊勢をあとにします。
本当は、もう少し伊勢を回りたかったのですが、雨の振り方が激しくなってきたため、このまま伊勢自動車道を使って、いっきに帰ることにしました。あとは、関Jctから東名阪自動車道に、豊田Jctから東名高速に乗り換えれば、下道に降りずにダイレクトに東京まで戻ることができます。
この帰り道が最悪でした。東名阪に入った頃から、とんでもない土砂降り状態になり、目の前の前走車ですらはっきりと見えないほど視界が悪く、路面にも捌けきらないほどの水が貯まっていました。
雨雲と一緒に東へ移動してきた為、この悪天候は、東名高速で静岡県に入るぐらいまで続いていました。東京に着いた頃には、雨があがり、空には夕焼けに照らし出された怪しげな雲がかかっていました。
予想以上に時間がかかったものの、無事夕暮れ前に東京に到着。
初の紀伊半島ツーリングでしたが、綺麗な海や神社仏閣巡りができて満足です。今回は、吉野山や熊野などの紀伊半島の中心部を回ることができなかったので、もう一度行ってみたいと思います。