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2006/04/23 作成

タイトル

1日目:炎天下の640km走行

地図

2004年 7月31日(土)快晴

東京 → 秋田 643.9km

初日の朝焼け

ここ2年間、ほんとうに忙しかったのです。去年は、年間残業時間が1,400h、ゴールデンウィークなんてここ3年間で2~3日しか休んでいません。そして、長かったプロジェクトも一段落を迎え、待ちに待った有給を取ることができました!!

と、きたら、もう走りに行くしかありません、行き先はもちろん北海道!!

今回は、3年前の北海道ツーリング時に大雨と冷夏で断念した「納沙布岬」へ、東京から自走で目指します。そして同じく3年前に果たせなかった、あと2つの目的も果たします。

7月31日 4:20起床、外は鮮やかな朝焼けでした。身支度を整え、5:30出発。ツーリング第1日目、目指すは 650km先の「秋田」です。

出発直前 東京

新しい相棒を紹介します、98年式 ZZR-400です。

次に買うならZZR-400かRVF400と決めて、1ヶ月ほど毎週バイクショップを巡っていましたが、一番タマ数が少なくなるこの時期に探すのはたいへんでした。やっとのことで見つけたのが、このバイク。納車は、このツーリングの2週間前でした。

ZZR-250 と比べると、さすがに自重が50kgも増えているのでかなり重いです。とり回すと、腕にずっしりと重みが伝わります。しかし、走ってみると意外とこれが乗りやすい。体に伝わる振動もいままでとは全然違って、この辺りは 2気筒 8バルブと 4気筒 16バルブの違いを体感しました。

秋田自動車道 大森PA

さて、高速で600kmというと単純に120kmペースで走っても 5時間かかります。さらに、甲州街道、環八、外環で東北自動車道に乗るまで 1時間強はかかります。1時間おきにSAで休憩することを考えると、今日はほとんどまる1日移動日になります。

この猛暑には参りました。おまけにラジエタの熱風がもろに膝に当たるため夏場は辛いです。1時間おきにSAで500ml水分補給してましたがそれでは物足りず、那須高原SAでは「スイカ」(120円)、安達太良SAでは「桃」(100円)を食しました。どちらも今年初物で美味かったです。

那須高原SAのスイカ安達太良SAの桃

SAって、都心から離れるほど規模が小さくなりますね。

秋田自動車道の秋田中央インターチェンジ東北/秋田自動車道 簡易マップ

川口ジャンクションからひたすら走り続けて470km、北上Jctから秋田自動車道に入ります。ここからは、片側1車線なのですぐに前走車に追いついてしまうため、しばしのんびりと走ります。たまに追い越し車線が現れると、一気に抜いて前へでますが、すぐに前の車に追いついてしまいます。

やっと秋田中央ICについた時のは 15:40、ここまで約10時間もかかりました。おまけに超快晴の猛暑でダウン寸前。さすがに疲れたので、今日はこのまま宿へ直行です。

秋田市内 竿燈祭り準備中

秋田市内は、「竿燈祭り」の準備中でした。残念ながら祭りは明日8月1日からで、見ることができませんでした。

市内をぶらぶらと歩いている途中で見つけた物産店に立ち寄り「稲庭うどん」と「稲庭素麺」を実家へ郵送。年に1回しか実家には戻らないので、いつも旅先ではお土産を郵送してます。

 

ところでこんな点灯の信号を見つけたのですが、秋田では一般的なのでしょうか?

進め? 停まれ? 進め? 停まれ? どっちやねん!!

だまっこ鍋 ちゃわん屋 秋田

秋田の郷土料理と言えば、「きりたんぽ」、「塩汁(しょっつる)鍋」、「だまっこ鍋」。きりたんぽは都内でも食べられるので、ここは「だまっこ鍋」をチョイス。

市内にある「ちゃわん屋」は飲み屋さんなので、17:00に入店した時点ではお客さんはひとりもいませんでした。

きりたんぽが棒の周りに御飯を固めているのに対して、だまっこ鍋は御飯を丸めて鍋に落としています。だまっこ鍋は、きりたんぽのルーツだとも聞きました。

さてお味ですが、椎茸や茸類の出汁が御飯に染みこんで美味い!! 団子も6個ほど入っていて、この一杯で十分満腹になります。夏場に汗だくになりながら鍋物を食べるのも良いものですね。

なまはげ太鼓 秋田建制400年記念祭

食後に市内を歩いていると秋田駅方面からぞろぞろと歩いてくる長い人通りができていました。親子連れや学生さん達など道行く人も様々。その後をついていくと「千秋公園」に辿り着きました。公園入り口の看板には「秋田建制400年記念」。どうやら前夜祭が行われているらしいので、さっそく見に行くことにしました。

会場では大きな山車や屋台が軒を連ね華やかな夏祭りが繰り広げられていました。中には、なまはげが威勢良く太鼓を叩いており、秋田らしいお祭りだなと感じました。

金蔓 秋田土産

最後に秋田駅まで秋田土産名物「金蔓」を購入。ふかふかのカステラの中にあんこが詰まってます。食感はふかふかで軽いです。

ホテルに戻り1日目終了。

2日目:絶景の男鹿半島と日本海ツーリング

地図

2004年 8月 1日(日)快晴

秋田 → 弘前 331.5km

秋田市内

初日の長距離走行で疲れていたせいが、昨日はぐっすりと眠ることができました。朝5:00、昨日セットした目覚ましが鳴る前に起床。外は雲一つ無い快晴、絶好のツーリング日和です。朝食代わりに残った金蔓を食べつつチェックアウトの準備。

今日のルートは、男鹿半島を一周した後、日本海に沿って一気に青森まで北上します。これまで東北地方は、ほとんど走ったことがないため非常に楽しみです。いざ、出発!!

秋田天王線(県道56号)

秋田市内を出ると、平凡な国道を避けて秋田天王線(県道56号)に入ります。ここは日本海沿いに走る4車線の快走路。早朝とあって交通量も少なく、快調に飛ばします。左手に日本海越しの男鹿半島を眺めながらの走行は気持ち良いです。

男鹿半島の付け根「羽立」から男鹿半島線(県道59号)に入り、半島を時計回りに一周します。ここも県道とは思えないほど整備された非常に綺麗な道路でした。

入道崎 男鹿半島

左手に日本海を眺めながら半島をぐるっと半周したところで、最先端「入道崎」に到着です。早朝に出発しただけあって、岬の駐車場周辺の土産物屋もまだ開店前。観光客もほとんど居ないため、のんびりと岬を散策することができました。

駐車場には自分より先に来ているバイクが1台止まっていたので、ライダーはどこにいるかと探してみたら、岬の岩場に腰掛けて本を読んでいました。なんだかのんびりとしていていいな~。

この入道崎は、「潮岬(本州最南端)」と同じように岬に芝生が広がっていて思わず昼寝したくなるほど気持ちがよい場所です。写真を撮りつつ、ぐるっと岬を歩いて回ってみました。

八望台 男鹿半島

入道崎から少し半島の内側へ戻ったところに「八望台」という展望台があり、ここから男鹿半島の先端を眺めることができます。早朝とあって、ここも広大な駐車場には2~3台の車しか止まっていません。大きな駐車場のど真ん中にバイクをぽつんと止めてみる。観光地はやっぱり人が集まる前の早朝に行くのが良いですね。

小高い展望台からは「一ノ目潟」と「二ノ目潟」の2つの爆裂火口湖を眺めることができます。爆裂火口湖は、火山爆発で火口に水が貯まってできた湖で、ここは日本最大の大きさを誇ります。緑色の湖面が神秘的です。

寒風山 男鹿半島

八望台からさらに十数kmほど内陸側に戻った半島の付け根に「寒風山」という山があります。かなりきつい勾配の坂を上っていくと、その先には360度の大パノラマが広がっていました。東側には男鹿半島、西側には広大な八郎潟を一望することができます。八望台もかなりの眺めが良かったのですが、ここはそれ以上の絶景でした。素晴らしい!!

阿蘇の「大観峰」もお勧めの絶景ポイントですが、ここも負けず劣らずの景色です。周りに高い山が無いため、寒風山の方が広く感じます。ここから東側を眺めると、船川湾が綺麗に弧を描き、その内側に広がる広大な八郎潟の絶景を見ることができます。ここは間違いなくお勧めのスポットです。寒風山の頂上には大きな回転展望台がありますが、今回はパスしました。

八郎潟 直線道路

寒風山を一気に下ると水路を越えて「八郎潟」に入ります。山の上から見ると明らかに水田だと判るのだが、いざ下へ降りてしまうとここがとても水田だとは思えないほどのただただ広大な景色が広がっていました。

事前にツーリングマップルで地図を確認していたときから、この辺りのひたすら長い直線道路には興味がありました。しかし、実際に走ってみると県道42号線は交通量が多くとても快適走れる雰囲気ではなかったので、八郎潟を横断している298号線へ入ってみます。すると、これが大正解。5kmほど直線が続いたのち、右に45度曲がってからさらに5kmの直線が続いています。交通量は少なく舗装状態が極めて良好で絶好の快走路でした。直線道路と言えば、北海道のが北十九号線などが代表格ですが、ここも負けず劣らずの良い道路です。往復で20km弱ほど直線道路を堪能してから、再び北を目指します。

風の松原

八郎潟から北上して米代川の下流までくると、国道を離れて少し海岸よりに入り、大きな防砂林「風の松原」に行きました。ここの松林は日本最大で、虹の松原や天橋立よりも規模が大きいそうです。さぞや観光スポットになっていると思いきや、周辺には全く人の気配がありません。松林の中に入ってみると確かにみごとな木々なのですが、観光名所としてはやや寂しいところでした。個人的にはこういう寂しげなところが好きなのですが、一般ウケはしないようです。

しばらく、松林の中を散策してみます。木々は常に強風のあおりを受けているせいか、全て海岸とは反対側の東側に傾いて成長していました。この下を歩いていると自分が傾いている歩いているような錯覚を覚えます。

お殿ラーメン 道の駅はちもり

再び国道101号線に戻り、左手に日本海を眺めながらひたすら北上すると、そろそろいい具合にお腹が空いてきたので、道の駅「はちもり」に併設されているラーメン屋に入ります。この道の駅には、白神山地から「お殿水」と呼ばれる水が湧き出ている為、地元の人達がボトルに水を汲んでいました。ここのラーメンも「お殿水」を使用しているそうです。確かに水は美味しいのだが、ラーメンの味は普通でした

天日干しイカ屋台

腹ごしらえを終えて駐車場に戻ると、大量の天日干しイカを吊している軽トラの屋台が止まっていました。この辺りは、イカも名産のようですね。

国道101号線 青森まで128km地点

国道をしばらく走ると、ついに道路標識に「青森128km」の文字が登場しました。本州を北へ向かって走っていることをあらためて実感します。

国道101号線 青森まで128km地点

今日の目的地は青森の少し手前の弘前ですが、ここから先はまだまだ距離があります。

驫木駅 五能線

国道101号線は、五能線の起点「東能代駅」の1つ先の「能代駅」から、終点「川部駅」の5つ手前の「五所川原駅」まで百数十kmの区間を線路が併走しています。五能線といえば、鉄道ファンの間では有名な人気路線です。自分はまだ乗ったことはありませんが、美しい日本海を眺めながらのローカル線の旅はさぞかし楽しいだろうと思います。

自分も学生時代は鉄道ファンで良く写真を撮りに行っていたのですが、最近はめっきり行かなくなりました。でも、いつかは「バイクで行くローカル線の旅」という企画を実行してみようと考えています。仕事の関係でいつ実現できるかは判りませんが、構想だけは今も思い描いています。

途中で見つけたひときわ小さな無人駅に立ち寄ってみます。五能線の「驫木(とどろき)駅」です。まっすぐに伸びた単線を挟み左手には広い海原、右手には小さな木製の駅舎と国道が続いています。まるでジオラマに出てきそうな、いかにもローカル線らしいとても良い雰囲気。いまは夏ですが、これが真冬の場合は、全く違う景色になるのでしょうね。

驫木駅 五能線

駅の時刻表を見ると、上りが1日6本、下りが5本。さすがに1日の列車本数は少なく、今日1日で五能線の列車とすれ違ったのはわずかに1回きり、車内の乗客もまばらでした。もし五能線に乗車する場合は、川部方面に向かうときは進行方向左側、能代方面に向かうときは進行方向右側の座席に座るのをお忘れなく。雪が降りしきる真冬の海を眺めながらの旅も楽しそうです。今度は鉄道の旅でここを訪れてみたいものです。

リンゴ畑 岩木山

ひらすら北上を続け能代から100km、青森県の「鰺ヶ沢」まで来たところで国道101号線に別れを告げ、県道 3号線で南東へ向かいます。ここから弘前までは山間部を走ります。

県道 3号線と30号線は、「岩木山」を一周する環状線で、非常に綺麗なほぼ2車線の快走路です。岩手山の西側は奥多摩周遊路並の適度なワインディング、東側は長めのストレートが続き、どちらも走っていて非常に気持ちが良い。しかし、路面にはいたるところにスピンターンのタイヤ痕が残っており、どうやら走り屋のたまり場になっているようでした。こんなに条件の良い道路があれば当然ですかね。

岩木山の弘前側の斜面は、一面にリンゴ畑が広がっていました。さすが青森県。農作業をしている人達の足下を見ると大量のりんごが落ちています。どうやら間引きしているようですが、地面に落ちているリンゴの数が半端な量ではなく、すごいもったいない気がします。

弘前市 ねぷた祭り準備中

弘前市内に入った時点で外はまだ明るく、もう少し走っても良かったのですが、今日はそのままホテルへ直行して早々とチェックインを済ませます。

部屋に荷物を置いて再びホテルの前の大通りへ出ると、すでに道の両側の歩道にはビニールシートやら椅子やらで場所取りが始まっていました。このツーリングの計画当初は青森に泊まる予定でいたのだが、ちょうど8月1日は「青森ねぷた祭り」にバッティングしていた為、全くホテルが手配できませんでした。「旅の窓口」ですら宿泊可能ホテル一覧に1件も表示されていないのです。そこでやむを得ず宿泊地を弘前に変更したところ、こっちは「弘前ねぷた祭り」の初日であるにも関わらず、通常料金の1,000円増しで市内に宿を取ることができました。しかも、予約できた「弘前国際ホテル」は、ねぷたが練り歩く大通りに面した宿でした。

弘前ねぷた祭りは、毎年8月1日から7日までの一週間弘前市内で開催されています。

焼リンゴのアイスクリーム添え 万茶ン 弘前

ねぷた祭りが始まるまで、まだ時間がある為、しばらく弘前市内を散策します。青森に来たからにはリンゴの甘味を食べないことには始まりません。

万茶ン

まずは「万茶ン」へ。ここは東北地方最古の喫茶店と聞いていたのでさぞかしレトロな雰囲気かと思いきや、入ってみると意外に普通の内装でした。ちょっとがっかり。同じ古い喫茶店なら鎌倉の「ミルクホール」がお勧です(ここは歩くと床がきしみます)。万茶ンの「焼リンゴのアイスクリーム添え」は、美味しかったです。リンゴ+アイス+紅茶の組み合わせは絶品ですね。

その後、老舗和菓子屋の「寿々炉本店」でゼリー状のリンゴの和菓子を購入してから戻りました。

弘前市 ねぷた祭り準備中

ぐるっと回って再びホテルの前まで戻ると、祭り開始までまだ40分以上あるのにすでに歩道は人で埋め尽くされていました。商店街のアーケードの上には、報道カメラマンも陣取っています。

近くの出店で焼きそばやおにぎりを買うと報道カメラマンがいる反対側の道路に場所を確保しました。カメラマンがいるということは、きっとここが良いポジションなのでしょう。歩道の片隅に腰掛けて、おにぎりをほおばりながら、祭りの開始を待ちます。

弘前ねぷた祭り

あたりが完全に闇に包まれると、遠くから囃子の音が聞こえ、いよいよ祭りが始まりました。

まず最初に商店街の2階までの高さがある巨大な太鼓が通りすぎると、続いて大小様々なねぷたが通っていきます。武者絵を描いた巨大な扇形の灯籠は、すごい迫力です。絵柄はどれも三国志や水滸伝などを題材にしているそうです。

この灯籠が、練り歩く途中で合図と共にその場でぐるぐると回転します。その瞬間周りの観客からは歓声があがり、大量のフラッシュが焚かれます。ねぷたの中には扇型の灯籠だけではなく、人形の形をした組ねぷたの姿もありました。ニュースなどで青森のねぷた祭りを見ている人には、こっちの方が馴染みが深いかも知れません。

巨大なねぷたは商店街の電線に引っかからないように、最上部が上下に伸縮する可動式になっていました。狭い商店街の合間を器用に通り抜けていきます。

弘前ねぷた祭り

灯籠と灯籠の合間に通る太鼓の列には、男性だけではなく、さらしを巻いた女性の姿も多くみかけました。大太鼓の上に跨り、おおきな特有の細長いバチで太鼓を叩く姿は勇壮でかっこいいですね。

灯籠とともに練り歩く人達の間から、「や~やど~」というかけ声が響き渡り、祭りの雰囲気を盛り上げています。こういった夏祭りがある地元に住んでいる人は、本当にうらやましいです。年に一度のお祭りは、地元民の熱気と大勢の観光客で盛り上がっていました。

最後まで祭りを見ていたかったが、明日も朝が早い為、22:00を過ぎたところでホテルに戻りますた。この日は、床についた後も、夜遅くまで遠くで祭りのかけ声が聞こえていました。

弘前ねぷた祭り弘前ねぷた祭り
弘前ねぷた祭り弘前ねぷた祭り

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