2006/04/23 作成
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10日目:北海道最終日
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さすがに10日目となると疲れていたのかもしれません。この旅で初めて目覚ましに起こされました。
長かった今回のツーリングも今日が実質の最終日。これで終わりだと思うと非常に寂しく名残惜しいです。
早朝の釧路市内は、今回も霧模様。釧路はこれで3回目ですが、いつも朝から霧がかかっています。
まずは、ここから西へ120km、帯広を目指します。釧路から国道38号線で太平洋沿いに西へ移動すると霧は一層濃くなってきました。白糠町に入った頃には、前を走っている車がはっきりと捕らえられないくらいの悪天候になりました。それでも濃霧が霧雨にならなかっただけ幸いです。ところが、直別で国道が海沿いの道から山の中の道へと変わると、気温がどんどん下がっていきます。道路沿いの電光掲示板の表示は「気温18℃」、寒!!
寒さと霧に耐えながらひたすら西へ走り釧路から80km、浦幌の市街地が近付くと、それまでの悪天候が嘘みたいに一転しました。みるみるうちに霧が晴れて、上空には澄み渡る青空が見えてきました。せっかく天候が回復したので少し寄り道をして行きましょう。

国道38号線は、吉野共栄で大きく右に曲がり帯広まで北西に向かいますが、ここで脇道にはいり十勝川沿いの土手道を走ります。どうやらこの先で護岸工事をしているらしく、大量のトラックが行き交っています。というかトラック以外にはほとんど通行車両がありません。トラックを縫うようにして走っていると、川沿いの大きな原っぱの真ん中にそびえ立つ巨大が見えてきます、「ハルニレの木」です。
路肩の小さなスペースにバイクを停めて土手へ降ります。ハルニレはニレ科の落葉広葉樹で都内でも新宿御苑で見ることができるのですが、ここ豊頃のハルニレは樹齢130年のひときわ大きく樹が広い草原の中にただ2本だけ生えているため、すごい絵になる風景です。

十勝国道に戻ると再び帯広へ向けて走り出します。
今日は19:00出航のフェリーに乗るために、遅くとも18:00までには苫小牧にたどり着く必要があります。帯広から苫小牧までは、200km弱。逆算するとあまり長い時間帯広に滞在しているわけにはいきませんが、せっかく帯広まで来たのだから「ナイタイ牧場」に行くことにします。
ナイタイ牧場は、3年前のツーリングでも訪れていますが、すごい景色の良い国内最大の面積を持つ牧場です。ただし、帯広から往復すると移動だけで軽く1時間はかかります。時間的にはぎりぎりなのですが、悩んでいるよりは行動あるのみ。市内から、国道241号線を北上して上士幌を目指します。
帯広から上士幌まで通じる国道241号線は、北へ延びる一本道。交通量は多いが比較的流れはスムーズです。十勝平野をひた走ります。
上士幌まで来たところで脇道に入り、牧場へと通じる坂道を登っていきます。この道の途中でも綺麗な景色を見ることができます。

この快走路の先がナイタイ牧場です。今登ってきた道を振り返ると、その先に広大な十勝平野を眺めることができます。あいにく少し雲が厚くなってきましたが、それでも絶景にはかわりありません。今日は時間がない為、あまり長い時間滞在できなかったのが残念ですが、晴れた日にここでのんびりと十勝平野を眺めてみるのも良いですね。
帰り道では、再び所々でバイクを停めて写真を撮りながら、降りていきます。
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帯広市内まで戻ってきたところで、街角にバイクを停めて、買い物に行きます。
まずは、「柳月」へ。ここのお菓子は安いのでついつい大量に買ってしまいます。柳月の名物は「三方六」ですが、他にも美味しいお菓子がたくさんあります。十勝みるく75円、里吹雪70円、子福長者40円、十勝チーズ75円・・・・安いので気がつくと大量のお菓子を手にしていました。
【余談】
←の写真を見て、ピーンときた方は、かなりのゲーム好き(笑)
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続いては、定番の「六花亭本店」へ。
思い起こせば3年前、夕暮れ時にここへ来たときは、本店限定の「さくさくパイ」は既に売り切れていました。そして、今日3年越のリベンジを果たします。早速、さくさくパイを購入すると店内にある無料のセルフ珈琲コーナでコーヒを注ぎ、店の片隅で出来たてのパイを頂きます。
さくさくのパイ生地のなかからカスタードクリームがとろ~っと溶けだしてきます。美味い~♪
これでこのツーリングの大きな目的であった、「北竜町のひまわり畑」、「根室の納沙布岬」、「六花亭のさくさくパイ」という3つのリベンジを全て果たすことができました。充実感に満たされながら帯広を後に、このツーリングの北海道ラストランへと向かいます。

ここからの道のりがまだまだ長いのです。
まずは帯広から国道38号線を使って西へ30km、清水町で左折して日勝国道こと国道274号線に入ります。ここからすぐに日勝峠越えになります。峠の頂上にはドライブインと展望台があり、ここからの景色も綺麗です。この道路は行き交うライダーも多く、ライダーサインの嵐。断続的に十数台のバイクが通り過ぎることもあります。腕が疲れます(笑)
深い山間を60kmほど走ると「道の駅樹海ロード日高」に到着。ここは、国道274号線と国道237号線が交差する場所に道の駅がある為、多くのライダーやドライバーで常にごった返しています。ここから北へ行けば富良野・美瑛、東は帯広、南は新冠・静内、西は夕張・千歳とちょうど道央観光の分岐点になっています。3年前は南から北へ、そして今年は東から西へと走り抜けます。

道の駅で最後のスタンプをゲット。今回は、上ノ国もんじゅ、ルート229元和台、なとわ・えさん、とようら、だて歴史の杜、230ルスツ、樹海ロード日高、パノラマ美幌峠、厚岸グルメパークの9個ゲット。開館前や通過している道の駅も多いため、意外に集まらないものです。2004年版の駅数は82カ所。全て回ると完全制覇認定証がもらえます。退職後なら制覇できるかな? ちなみに道の駅は、特定のエリアだけでも企画をやっています。例えば、函館周辺の渡島・檜山館内は、クイズラリーを開催していて、この区間で10カ所の道の駅のうち3カ所以上回ると商品の応募ができたりします。また、ホクレンは給油をしてスタンプをもらうを10個で1回応募ができます。こういうところも北海道を走る楽しみのひとつですね。
ここから国道274号線を西へ向かうとさらに山の中を走ります。日高から日勝側とは異なり、夕張側は道も細く追い越しが難しいです。運が悪いことに峠越えで悪戦苦闘しているトレーラの後に車がずら~と連なりました。
夕張についた頃には、既に16時を大きく回っていました。ここから苫小牧まで、まだ80km以上あります。やむを得ず、高速でいっきにショートカットします。

全線開通していない道東自動車ですが、西側区間は幸いなことに夕張まで開通しています。夕張ICに入ると、ここから一気に飛ばします。さすがにこの区間で高速を使う車は少なく、前走車もほとんどいません。いっきに千歳恵庭JCTまで走り抜けここから道央自動車道に入り苫小牧東ICまできたところで再び下道に降ります。苫小牧市街は混雑していたものの、湾岸の大通りに入ってからはスムーズでした。途中のコンビニで夕飯と飲み物を調達してから苫小牧港へ入ります。

乗船手続きを終えて駐車場で乗船開始を待っていると、続々とバイクが集まってきました。仙台行きより出航時間が15分早い大洗行きの乗船準備アナウンスに続いて、仙台行きのアナウンスが流れます。以前にも苫小牧港は使用している為、乗船はバイク→車の順番だということはあらかじめ知っていました。ほとんどのフェリーはバイク優先で乗船できるのですが、新潟港のようにバイクが一番最後に乗船するところもあります。
即座にバイクにまたがり、一番手で係員の前へ。ここで2つある乗船口のうち前から乗船するか後ろから乗船するかが最初のポイントです。係員の誘導で前側のブリッジへ移動。ここに来てもすぐに乗船できるわけではありません。この時点ですでにトレーラの積み込み作業が始まっている為、バイクはその合間をぬって乗船します。つまり、前と後ろでどちらが先に乗船できるかは運なのです。幸いすぐに乗船指示があり、まっさきに甲板に上がると甲板員の指示に従い片隅にバイクを停めて、大急ぎで荷物を取り外し、一目散に客室を目指します。エレベータで客室フロアまで上がり真っ先に部屋へ入ります。そして、タオルと下着を取り出すと、大浴場へ直行!! 誰もいない、今年も一番風呂をゲット!!
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手短に髪と体を洗うと、誰もいない大きな湯船にどっぷりと浸かります。少し遅れて入ってきた2人のライダーがこっちを見て一言、「うわ、早ぇ~」、ニヤリ。考えることはみんな同じですね。
風呂からあがる頃には、続々と乗客が乗り込んできました。コンビニで買った夕飯を食べながら出航時間を待ちます。
19:00 定刻通り、夕闇迫る苫小牧港を離岸。
ロングツーリンのフィナーレはいつもフェリーの船上です。デッキから徐々に遠ざかる北海道の大地を眺めながら、最後を楽しみます。
フェリーが苫小牧港から湾外へ出る防波堤までくると、併航していた水先案内船がフェリーと汽笛を交わし、徐々に離れていきます。最後にフェリーの汽笛が2~3回轟音を響かせると、そのまま外海へと出ていきます。苫小牧の街を照らす街灯りが遙か遠くに消え去るとき、辺りは暗闇に包まれていきました。遠ざかる北の大地に別れを告げると、部屋へ戻り、このツーリング最後の就寝です。
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11日目:北海道最終日
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朝4時過ぎ、甲板に出ると空は一面の雲に覆われており、残念ながら洋上で日の出を見ることはできませんでした。仕方がないのでベットに戻って仙台港着岸まで二度寝です。
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仙台港に着岸後、甲板から下船すると、むわ~~っとする熱気が襲ってきて、本州に戻ってきたことを実感します。仙台市内を抜け仙台南ICから東北自動車道に入り、一路東京へと帰っていきます。
東北地方は、これまでにも仙台まで来たことがありましたが、実質今回が初めてのツーリングでした。東北は、予想以上に快適な道が多かったです。今度は太平洋側を中心に仙台辺りから八戸辺りまで走ってみたいですね。
北海道は、これが3回目でしたが、これまでに走ったことがなかった函館方面や根室方面を走れたのが良かったです。これで北海道の主だったところはだいたい走覇することができました。一度走った道は、ツーリングマップに蛍光ペンを線を引いているのですが、ほとんどのページにマーカが塗れてきました。次回はどこを走るか考えるのもまた楽しいですね。
10日間以上のロングツーリングは通算4回目でしたが、これだけ天候に恵まれたツーリングは初めてでした。この10日間で一度もレイン装備を使用しなかったのは奇跡的です。最後の最後に常磐自動車道で滝のような大雨に遭ったような気もしますが・・・・・・・・なかっとことにします。
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最後までお付き合い下さいまして、ありがとうございました。
このツーリング記が皆様の旅行に少しでも役立てば幸いです。
ライダー&ドライバーの皆さん、来年は是非、
「北へ!!」
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