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2006/04/23 作成

タイトル

3日目:青森ツーリング

地図

2004年 8月 2日(月)曇り

弘前 → 陸奥 319.6km

黒石IC

3日目。今日は弘前から青森県を北上して一路「下北半島」の先を目指します。

まずは最初の目的「十和田湖」を目指しますが、ここから普通に直線で行ったら一時間程度で着いてしまうため、あえて黒石ICからいったん東北自動車道で南へ下り「小坂」へ向かうことにしました。

この辺りの高速道路は、非常にカーブが多く 80km制限なのですが、平日早朝の下り線だけあって走行車両も少なく快適に飛ばすことができました。右へ左へと山間部の小気味の良いカーブ走り、あっという間に40km先の小坂ICに到着。

七滝

小坂ICまで南下したら、今度は県道2号線「十和田大館樹海ライン」に入り十和田湖まで北上します。数kmほど走ったところで道ばたにバイクを停めてエンジンを切ると遠くから滝の音が聞こえてきました。道路のすぐ側に見えるのが「七滝」です。道路から滝までがどのくらい近いかと言うと、バイク越しに滝の写真が写せるほど近いところに滝があります。滝はそれほど大きくなく、滝の麓まで歩いていくことができます。ひととき真夏の暑さを忘れてぼーっと滝を眺めてました。

 

七滝
十和田湖 発荷峠展望台

ここ十和田大館樹海ラインは、ほとんど5速で走れるほどゆるいカーブの続く快適な道路です。十和田湖の手前には、「紫明亭」と「発荷峠」の2つの展望台があります。

最初に入った紫明亭展望台は人が誰もいないので、のんびりできそうだなと思いきや、展望台付近に多数の蜂が飛んでいた為、慌てて撤収。発荷峠展望台は、紫明亭展望台とは違い、観光バスが来るほど人が多い場所です。展望台からは、林越しに十和田湖を眺めることができます。さすがに本州最大のカルデラ湖だけあってかなり大きさ。湖の対岸は薄い霧で覆われていました。

湖を1/8ほど回った所には「瞰湖台」という展望台があります。ここは、駐車スペースすらない小さな展望台ですが、発荷峠よりも間近に湖を眺めることができます。摩周湖で言えば裏展望台のようなところです。訪れる人も少なくお勧めの場所です。十和田湖の北側にある中山半島を挟んで手前に中湖、奥にはかすかに西湖が見渡せます。

奥入瀬川側沿い

十和田湖を反時計回りに周って東岸の「子ノ口」まできたところで、奥入瀬川側沿いに国道102号線を北へ向かってを走ります。この辺りでは、道端のいたるところで観光客が車を止めて渓流を散歩していました。近くのガススタンドで給油がてら渓流まで降りてみましたが、ちょっとした滝もあってなかなか癒されるスポットです。

りんご生どら焼きねぷた絵柄のリンゴジュース

その足で立ち寄った売店で再びリンゴ商品を発見。店内の冷蔵庫の中にあったは、「りんご生どら焼き」。さらに、青森県だけあってバリエーション豊かなパッケージのリンゴの缶ジュースが並んでいました。どら焼きとねぷた絵柄のリンゴジュース缶を買って、木陰で一休み。冷蔵庫で冷やされた、リンゴの生クリームを包んだどら焼きと冷えたリンゴジュースが美味しかったです。

雪中そば 八甲田山

十和田湖からさらに北上すると雪中行軍で有名な「八甲田山」が見えてきました。まずは、麓の茶屋で昼食をとります。「雪中蕎麦」なるものを頼んだら、出たきた皿には一面真っ黒の海苔が。これのどこが雪中なのかとと思ったら、海苔の下には蕎麦の上に一面真っ白なとろろがかかっていました。冷たい蕎麦ととろろをかき込むと、つるっとした喉越しが良いです。

腹ごしらえを終えて茶屋の裏手にある小高い丘を上ると遭難慰霊碑がありました。慰霊碑越しに八甲田山を眺めることができます。そう言えば、ここまで登ってくる途中では、自衛隊らしき姿もちらほら見かけました。

八甲田山

八甲田山の周りを時計回りにぐるっと一周してみたが、この辺りは交通量も少なく路面も綺麗で快適でした。強いて言えば、山の周りには少し薄暗い雲がかかっており、もう少し天気が良かったら文句なしだったかな。

小川原湖から野辺地へ抜けるとあとは「むつ」まで下北半島をひたすら北上します。「はまなすライン」と呼ばれる国道279号線は、地図上では野辺地湾沿いに走っているのですが、実際に走ってみると全く海が見えません。これでは内陸を走っているのと変わらない。海沿いに走れると期待していただけに残念。

そんな道中で楽しかったのが、対向してくるライダーとのすれ違いでした。これから北海道へ行くために下北半島を北上している自分とは反対に、北海道から帰ってきたライダー達が南下してきます。すれ違いざまにライダーサインを交わしていると、いよいよ北海道が近づいてきたことを実感します。

八甲田山八甲田山
むつグランドホテルから見たむつ市内の夜景

むつ市内まで来るとまだ時間的に余裕があった為、さらに北東へ向かいました。空が曇っていたせいもありますが、ここから先は殺風景で全く人気がなく非常に寂しいところでした。自分はこういう場所も好きなので、しばらく下北半島を走ってからむつ市内へ戻りました。

今日の宿「むつグランドホテル」は、市内から少し離れた小高い丘の上にあります。部屋の窓から眺めるむつ市内の夜景が綺麗です。ここはホテルに斗南温泉が併設されています。広い湯船にゆっくり浸かって今日一日の疲れ癒します。

4日目:大間から函館へ

地図

2004年 8月 3日(火)曇り

陸奥 → 函館 251.7km

宇曽利山湖 恐山

待ちに待った4日目! 今日はいよいよ本州を離れ北海道へ上陸します。

まずは、むつ市街から十数km西にある「恐山」へ向かいます。市街地を離れ傾斜のきつい深い林の中の道をしばらく進んでいくと急に辺りが開けて、恐山の麓「宇曽利山湖」に辿り着きます。ここは温泉地だけあって周りにはいたるところに黄色い硫黄と煙が充満しています。強烈な硫黄の臭いが鼻をつく。人気もなく霧がかかった寂しい湖畔と硫黄の岩が連なる景色は、はまさに「恐山」という名にふさわしい雰囲気が漂ってますね。

津軽海峡 大間崎の少し手前

恐山から大間崎へ行くには、このまま薬研温泉を通って北へ向かい大畑方面へ抜ける方が近道なのですが、時間的にまだ余裕があるので、一旦むつ市内まで引き返し、国道279号線で津軽海峡の眺めながら大間崎まで向かうことにしました。

大畑を超えて木野部峠まできたところで路肩にバイクを止め、津軽海峡越しの対岸を眺めると、ついに北海道の大地が見えました。←の写真だとちょっと判りづらいですね。これまで北海道へは新潟や仙台からフェリーで上陸していただけに、自走で北海道が見えるところまで来ると、これまでとは違う満足感があります。いよいよ北海道だ、と胸躍らせながら、再び大間岬を目指し走り出します。

大間崎

折戸坂まで来たところで国道から脇道に入り、住宅地の合間を右へ左へと突き進んでいくと、開けた海岸に出ました。東京から走り続けて1,000km強、ここが本州最北端「大間崎」です。

高々とそびえ立つ石碑には、「こゝ本州最北端の地」の文字が刻まれています。北緯41度33分、本州最北端に到達。早速、近くの若者に頼んで記念撮影。この時、ちょうどかもめが最北端の碑の上に留まってくれたので、良い記念写真が撮れました...って作り物ですか(笑)

しばし、海を眺めて感慨にふけます。ここからは対岸が見えませんが、もう目と鼻の先には間違いなく北海道があります。ちなみに本州四端の中で制覇したのは、南端の「潮岬」に続いてここが二カ所目です。

朝から何も食べていない為、かなりお腹が空いていましたが、この後にはとびっきりの昼食が待っているため、ここはぐっと我慢します。それでも、鼻を突く磯の良い香りに誘われ、露天で海鮮串焼きを買いました。サイズはかなり小さめだが、あわびとさざえの串焼きは美味しかったです。

大間崎大間崎
大間崎 フェリーターミナル

大間崎からさほど離れていない場所に東日本フェリーの乗船場があります。ここにあるのは、砂利が敷き詰められた小さな校庭ぐらいのサイズ広場と小さなプレハブの建家だけ。本当にここがフェリー乗り場? と疑いたくなるほど小さな小さな乗船場です。

大間~函館航路は、本州と北海道を結ぶ最も短い航路です。今回は、2等席を取ってみました。チケットには2等寝台と書かれていますが、寝台ベットではありません。

フェリーチケット 函館 大間2等寝台チケット
ばあゆ 東日本フェリー

桟橋の片隅腰をかけて海を眺めていると、遠くに東日本フェリー「ばあゆ」の姿が見えてきました。長距離フェリーが13,000~18,000トンクラスであるのに対して、このばあゆはわずか 1,500トン。かなり小型のフェリーです。

入江の中心まで来ると、大きく右周りに180度回転したところで後進してピッタリと船尾が桟橋に着きました。船が小さいだけあって、乗船作業もスムーズです。

この2等寝台は1船にたった10席しかありません。ただし、船がかなり老朽化している為、客室はお世辞にも綺麗とは言えませんでした。例えて言えば「2~30年前の国鉄の特急グリーン席」というイメージがピッタリです。それでも、混んでいる船内で座席に座れるのは楽ですね。

函館山 津軽海峡洋上から

出航前から座席でしばらく仮眠を取っていたせいで、起きた頃には既に洋上にいました。デッキへ出てみると、はるか遠くに函館山が見えます。徐々に大きくなり目の前に近づいている函館山を眺めていると、いよいよ北海道へ上陸するという嬉しさで気分が高揚してきます。

やがて船内に着岸案内の船内アナウンスが流れてきました。

函館港

再び戻ってきたぞ北海道!! バイクでは通算3回目の北海道上陸です。1回目は小樽港、2回目は苫小牧港、そして3回目は函館港から上陸。これでの残った上陸港は、室蘭港だけになりました。

ほたて、いくら、うにの巴丼 きくよ食堂 函館朝市

函館港は、函館市内からやや北に位置する為、まずは市内へ向けて南へ走り出します。

お約束すぎてつまらないと言われそうですが、函館まで来たらやっぱり「函館朝市」に行くしかありません。時間はすでに昼過ぎ。さすがにこんな時間では、閉まっている店も多いのですが、それでも食堂は営業してます。

朝食を抜いてまで待っていた本日のメインディッシュの時間です。市場の近くにバイクを停めると、「きくよ食堂」に入り、「巴丼」を注文します。その名の通り、ほたて、いくら、うにの三つ巴どんぶりです。

どんぶりの上に敷き詰められた海鮮は、ぷりぷりのほたて、ぷちぷちのいくら、濃厚なウニ。幸せ~~~♪

これでたったの1,400円ですよ。北海道万歳!!

恵山 道の駅なとわ・えさん 亀田半島

店の外に出ると、上空には絶好の青空が見えてきました。そこで、ここから函館の東側の「亀田半島」を反時計回りに一周することにしました。

函館市内から海沿いに走る国道278号線を使い東へと走ります。やがて目の前に半島の先端にある「恵山」が見えきます。その麓にある「道の駅なとわ・えさん」でひと休み。ここで2004年度版のスタンプラリー台紙をもらい、早速1つ目のスタンプを押します。道の駅は良く使う為、スタンプも結構貯まりそうです。

ここから北側の道は、雪崩防止用の小さなトンネルがたくさんあります。こういう海岸沿いのトンネルを見るとモナコを思い出しますね。

「鹿部」まで走ったところで、再び進路を南に変えて函館市内に戻ってきました。

函館山 ロープウェイ

函館市内まで戻るとホテルに荷物を置いて、本日のハイライト「函館山」へ向かいます。

函館駅前で函館山行きのバス停を見たところかなり長い列ができていたので、徒歩でロープウェイ乗り場まで歩きました。これが大失敗、意外に距離がありました。路面電車で麓まで行くのがベストだったかもしれません。

夏場の函館山ロープウェイはかなり混んでいると聞いていましたが、いざ乗り場まで来たら、待っている客も20名程度で意外に空いてます。係員に聞いたところ、つい数十分前まで強風で運休していたそうです。どうりで駅前のバスが混雑していたわけですね。

函館山のロープウェイの乗り心地はかなり快適です。ゴンドラも大きく揺れも少なく。市内のすぐそばにあるだけあって、上っている途中も眼下に綺麗な街並みを見ることができます。ちなみに、市内の飲食店やホテルには、ロープウェイの割引券が置いてあるので忘れずに持っていきましょう。

函館山 夕暮れ前

わずか 3分で頂上にたどり着くとロープウェイを降りて展望台へ向かいます。既にこの時間でも展望台の最前列は人で埋まっていました。この状態で日の入りまであと1時間待つとはなかなかの根性ですね。展望台は真夏でも結構寒いです。自分はライダージャケットを着ていたので問題ありませんでしたが、上着無しの半袖姿で来た観光客はかなり寒そうでした。

展望台の階段に腰をかけて、しばし日が暮れるのを待ちます。この時期、日が暮れ始めるのは、19時頃。やがて、徐々に人が集まりはじめ、展望台はかなりの人で賑わってきました。

函館山 日没直後

函館山から見る函館市街地は北東に面している為、日が暮れると徐々に函館山の影が街の中へ広がっていきます。

19:00を過ぎた頃から徐々に辺りが暗くなり、本格的に街の明かりが灯りだしました。

19:10、この時点でかなり薄暗くなり夜景らしくなってきました。

函館山 夜景

19:20、函館の街は完全に闇に包まれ、眼下に綺麗な夜景が広がっています。

函館山の夜景はいろいろと話には聞いていましたが、実際にここで見ると本当に見事な景色です。夜間飛行の飛行機に乗ると窓から夜景を見ることができますが、この函館山ではそんな夜景をじっくりと眺めることができます。

左右を大きな入江に囲まれた扇状の景色が美しいですね。夜景の中には、ライトアップされた函館港の摩周丸やハリストス正教会などもはっきりと見ることができます。この日は曇っていたため、函館湾にイカ漁の漁船がほとんど出ていませんでしたが、天気の良い日は湾内に漁り火が見えるそうです。

充分夜景を堪能したところで、帰りはバスで函館駅まで戻りました。

回転寿司 函館駅前

駅前まで戻ったところで時刻は既に20時を回っていた為、さすがに食堂はどこも閉まっていました。市場の近くにかろうじて1件だけ開いている回転寿司を見つけて、遅めの夕食を取ります。味は普通でしたがお腹が空いていたので、美味しかった。結局、昼・夜と海鮮尽くしの1日になりました。

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