2006/04/23 作成
7日目:ツーリングにトラブルはつきもの!
前日にテレビで見た天気予報では、残念ながら今日は午後から雨。ということは、午前中が勝負!、と見て、いつもよりさらに早い 4:40起床、5:20出発。さすがに眠いです・・・。
富良野に来るのはこれで3回目。飛行機で来た1回を除くと、北海道に来たら必ず訪れる場所です。まずはこれまでにまだ一度も行ったことがない「麓郷(ろくごう)」へ向かいます。
麓郷は、富良野の南西部の丘で、富良野から少し南へ行ったところから脇道に入ることで向かうことができます。
麓郷までの道は深い森の中を走りますが、早朝の薄い朝靄がかかった誰もいない道路を全開で走る気分は最高です。そのまま「麓郷展望台」まで行こうとしましたが、あいにく途中から舗装されていないひどく荒れたダートになった為、あえなく断念しました。こういう時はオフ車がうらやましいですね。
麓郷から北側は美瑛のような丘になっていてここも非常に気持ちが良いです。ちなみに麓郷から「鳥沼」方面の道は荒れたダートになっている為、観光客の通行は禁止されています。そこで、Uターンして今来た道を戻り再び国道まで戻ります。
美瑛にさしかかると、まずは西側の丘を通り抜け「美馬牛駅」へ到着。ちょうど、富良野方面から旭川行きの列車が入線してきました。2両編成のキハ150、北海道では定番の車両です。時間を狙ってくればDE15やC11が牽引する「ノロッコ号」を見ることもできます。
ふと空を見上げると、明け方まで空にかかっていた薄雲も晴れて上空には青空が見えてきました。美瑛の丘巡りには絶好の天気です。
美瑛は、国道237号線を境に東の丘「パノラマロード」と西の丘「パッチワークの路」に分かれています。今年は西側の丘を中心に回ってみます。
まずは「北西の丘展望公園」へ。ここは小高い丘の上の公園なのですが、残念ながら景色はいまいち。さくっと通過して、さらに北西方面へ向かいます。
この辺りには、マイルドセブンの丘やケンメリの木など名所だけではなく、綺麗な景色がたくさん見られます。小高い丘を見つけて脇道に入り登ってみると、パッチワークの名にふさわしい色彩や濃淡が異なる色とりどりの畑を一望することができます。
美瑛にはこれまで6月/7月/8月と3回訪れてますが、わずかな時期の差で、それぞれ微妙に違う景色を見せてくれます。この時期は、鮮やかな緑、それより薄い黄緑、そして既に収穫された後の茶色の3色のコントラストが見られます。
この頃には快晴で気温もぐんぐん上昇してきました。前日の天気予報はなんだっただろう...。
今回も定番「マイルドセブンの丘」にきました。丘の上にはカラマツの木が一直線に並んでいます。丘の手前の道沿いにライダーがずら~っとバイクを停めて写真を撮る名所です。停まっているバイクのナンバーも全国様々。
さっそく自分も隣のライダーと交互に、バイクとツーショットの写真を撮ってもらいました。どっちから来たとか、これからどこへ向かうとか、しばらくライダー同士で会話した後、次のポイントへ向かいます。
「ケンとメリーの木」、道路沿いにただ1本だけ高く生えるポプラの木が栄えている定番スポットです。ここはさすがに観光客が多く、時間帯によっては、木の周りが撮影ラッシュになっています。
美瑛の丘を気ままに走り続け、 9:45になったところで国道を横切り西の丘から東の丘へ移動します。目的はもちろん10:00開店の 「歩人」 、ハムとソーセージの専門店です。
美瑛から東へ10kmほど走ると道ばたに小さな店が見えてきます。3年前に訪れた時には、霧雨の美瑛を走り続け、びしょぬれの体で店内に入り、暖かい食事で暖をとりました。あの時の暖かい紅茶と美味しかったソーセージの味が忘れられません。
さすがに今日は開店直後とあって、店に入ると他にお客さんはいませんでした。店の一番奥の六人がけの大きなテーブルに腰をかけてくつろがせてもらいます。
この店のハム・ソーセージ・ベーコンの盛り合わせメニューには、A(5種)、B(8種)、C(10種)、D(15種)、S(20種)の5種類がありますが、今回は15種盛りをトーストと紅茶オーダ、と思ったら、3年前とは微妙にメニューが変わり、セットのパンはフランスパン、飲み物はコーヒーか牛乳に変わっていました。フランスパンとコーヒーをオーダします。
しばらくすると、15種盛りが運ばれてきました。ここで店員さんがひとつひとつ丁寧に説明してくれます。
前回は聞き流してしまった、と言うか最後の説明を聞いている頃には最初の説明なんて完全に記憶から飛んでいた為、今回はメモをとらせてもらいながら、ゆっくり説明してもらいました。
まずはハム&ベーコンが左上からクラカウ、カナディアンベーコン、モルタデラ、ジャンボン、ボンレス、ロースハム、チキンソーセージ、モルタデラ、ソーセージが左からホワイトフルタ、チキンソーセージ、ホットクナッカー、ウィンナー、ハーブウィンナー。実際の店員さんの説明では、それぞれどんな具材が使われているかまで詳しく教えてくれます。判らなくなったら、テーブルに置かれているメニューを見れば詳しい説明が書かれています。
あいかわらずどれも美味しい~♪ 味はもちろん、ボリュームもあり今回も大満足です。
店から出て駐車場に戻ってみると、あ~~、またやってしまった。
200kg以上の車体を支えるスタンドは、やわなアスファルトに簡単にめり込んでしまいます。いたるところで穴だらけになっている駐車場も良く見かけますが、ここの駐車場もアスファルトがやわでした。
お店の方、すみませんでした。僭越ながら鉄板とか薄いブロックが置いてあると重いバイクに乗ったライダー達には、非常に助かります。
富良野・美瑛の主だったところはほとんど回っていますが、まだ一度も行っていないのが「天人峡」です。
美瑛の駅前まで戻ると、ここから少し旭川方面に戻り、松山美瑛線、旭川大雪山層雲峡線に入り大雪山方面へ走ります。さすがに遠く美瑛から片道30km近くあります。富良野や美瑛は観光名所ですが、さすがにここまでくる観光客は少ないのでしょう、通行量は少なく、路面も北海道の道路にしては珍しく荒れていますが、補修された形跡もほとんどありません。さらに道端の道路標識に書かれているのは、熊マーク。
この道路の終着点が天人峡です。駐車場にバイクを停めて、そこから少し歩いた先に「羽衣の滝」があります。森の中の切り立った崖の上から何段にも分かれて白い線状に流れ落ちる滝は、羽衣の名に相応しいものでした。
天人峡の入り口には、「見返り岩」と呼ばれる、山肌の中に高く突き出た岩が点在しています。天人峡は、天女が羽衣を弓人に別れを告げ、空高く舞い上がる際にこの見返り岩を目印に何度もふりかえったという羽衣伝説が残っています。
美瑛から天人峡に向かっている辺りから、どうも足回りの挙動がおかしいと思っていたのですが、ここにきて急激に違和感を感じるようになりました。バイクを停めてタイヤをチェックするとスリップサインが出て、山も消えかかっていました。それ以上に、問題なのがはっきりとタイヤの表面に凹凸ができています。手で触ってみると表面はツルツルの上、溝の手前と奥でかなり段差ができており、かなりまずいな~、という感じ。もともと購入した時から溝は浅かったのだが、あと6~7000kmはいけるだろう踏んで換えずに出てきたのが失敗でした。
ここから先、東京へ帰るまでの距離は残り約1,500km。なんとかもちそうな距離ではあるが、ここで無理して事故を起こしてはシャレにならないし、この先不安を抱えたまま走っても楽しくないだろう。急遽、旭川でバイクショップに立ち寄ります。
旭川市内を走るまわり4~5件目に入ったショップで問屋さんに問い合わせてもらったところ、ストックが見つかったので早速調達してもらいタイヤ交換です。この店のオーナさんがご年輩の夫婦で、タイヤ交換に2時間強かかりましたが、無事終了しました。
悪いことは重なるもので、タイヤ交換中にフロントハブのケースアッシが破損していることが判明。いつ壊れたんだろう...。完全に宙に浮いて空回りしていた。ここはカラーに填め込み式になっている為、欠けても本体が外れる心配はないのですが、タイヤ交換の為に一度ハブから取り外してしまうとメータスクリューが逝ってしまう可能性が大きいです。が、迷ってはいられないので、メータが使えなくなるのを覚悟で交換することにしました。
修理が終わり旭川市内を走行中にフロントから「パキッ!!」という鈍い音が。案の定、スピードメータとトリップメータが回らなくなりました。
いまから北見を目指しても、到着するのは夜遅くなりそうなので、無理せず今日は北見泊をあきらめて急遽、旭川泊に変更しました。
時間が少しあったので、平和通買い物公園辺りをぶらぶらしました。この時、元々旭川に泊まる予定ではなかったことと、バイクのトラブルで疲れていたせいで、「梅屋」でシュークリームを買うのをすっかり忘れていました・・・・・不覚。
8日目:層雲峡から中標津へ
新しく履き替えたばかりのタイヤは絶好調。昨日の遅れを取り戻すために、いっきに旭川から大雪山へ向かって走ります。
まずは昨日訪れる予定だった、「銀河の滝」と「流星の滝」へ。この2つの滝は、大雪山の麓にあります。4年ぶりに見た滝は、かわらず雄大でした。切り立った高い崖上から豪快に水が流れ落ち、静かな大雪山の中に滝音だけが響き渡ります。
旭川側から大雪山を超えると反対側は昨日宿泊する予定だった「北見」へ。本当は北見市内で「トリトン」という寿司屋に寄ってから「キタキツネ牧場」へ行く予定でしたが、スケジュールの都合上やむなくキャンセル。キタキツネ牧場は4年前にも訪れているので今回はパスしても良いかな。寿司はもう1件お目当ての店があるのでそっちに行くことにします。
北見市内はホクレンで給油だけ行い先を急ぎます。ここで道東の緑フラグをゲット。これで3色コンプリートです。途中で赤色のフラグを付けてるライダーがいたのでどこで入手したのか聞いてみたところ、赤色はホンダ会員だけの特典でした。だったら、Kawasaki限定のライムグリーンも作って欲しいですね。
美幌までくると国道39号線から243号線に入り、いよいよ「美幌峠」越えです。しかし、走れば走るほど気温は下がり、霧は濃くなっていきます。美幌峠についた頃には、辺り一面の霧一色。4年前は、ここから綺麗な景色が見られていただけに残念無念。
あきらめて美幌峠から坂を下り始めるとみるみるうちに霧が晴れて眼下に鮮やかな「屈斜路湖」の湖面を見ることができました。道ばたにバイクを停めて今来た道を振り返ると美幌峠の頂上付近だけ厚い霧が立ちこめています。これなら屈斜路湖を挟んで美幌峠と反対側に行けば、綺麗な湖が見られるかもしれません。再びバイクに跨り一気に峠を下ります。
和琴温泉の前を通り屈斜路湖畔まで出たところで時計回りに湖を回ります。最初に立ち寄った「砂湯」の売店で珍しいピスタッシェ(ピスタチオ)のソフトクリームを見つけました。鮮やかな緑色です。
屈斜路湖を半周したところで102号線に入り藻琴山方面へ向かいます。ここは屈斜路湖の北側の斜面で湖を見下ろすことができる展望台が幾つかあります。軽快なアップダウンとカーブで走るのも気持ちがよい~。10kmほど走ると左手の「藻琴山展望台」にバイクを停めます。ここは屈斜路湖の全景を見渡すことができる展望台で、美幌峠側から見る屈斜路湖とは違った景色を見せてくれます。訪れる観光客も少ないのでお勧めの場所です。5年前はさらにこの先へ登り「ハイランド小清水725」という展望台まで行ったのですが、今日は時間の都合上、ここで折り返します。
国道391号線まで戻ると、今度は国道を挟んで反対側の道に入り「摩周湖」へ向けて走ります。まずは「摩周湖第三展望台」。駐車場から階段を上り柵から湖を見下ろすとそこには・・・一面の霧。さすが霧の摩周湖。この日の霧は厚く湖の真ん中のカムイッシュ島はおろか湖面すらまともに見ることができません。
まだチャンスはあります。再びバイクに乗ると、さらにその先の「摩周湖第一展望台」へ。駐車場から階段を上り柵から湖を見下ろすとそこには・・・一面の霧。
仕方がないので、売店でもろこしと熊出没注意パッケージのガラナを購入。ベンチに腰掛けながら霧が晴れるのをじっと待ちます。
しかし、結果はダメ。これで摩周湖の星取表は、通算計1勝2敗の負け越しになりました。次に北海道に来たときにイーブンに戻さなくては。
そのまま摩周湖の南斜面を一気に下り、国道243号線へ出ます。ここから10km先を右折して1040号線に入り2kmほど先を左折するとその先に360度見渡せる展望台「多和平」があります。4年前は曲がる場所が判らず、通り過ぎた直後に慌てて急ブレーキ&Uターンした場所です。ところが久しぶりに来てみれば「← 多和平」と書かれた大きな看板ができているではないですか。これは観光名所になってるかな、と思って坂を登ってみると、そこにはバイクが1台と車が1台しか停まっていません。あいかわらず寂れていました。しかし、景色もかわらず綺麗です。あいにく空には雲がかかっていたが、360度の大パノラマを満喫しました。
弟子屈周辺は、観光地が多いです。今回は訪れませんでしたが、3年前には硫黄山にも立ち寄っています。もう少し天気が良ければこの周辺で1日過ごすのも良さそうですね。
多和平から再び国道243号線まで戻るとすぐに反対側の885号線に入ります。ここから先は「開陽台」へのショートカットですが、ところどころ道端に小さな看板があるのでそれを頼りに進めば道を間違えることはありません。
標津から中標津へ入るとその先に開陽台があります。ここは、多和平と同じような展望台があるのですが、こっちは観光名所になっています。開陽台は、北西側が山になっているため360度の大パノラマとまではいきませんが、別海側は広大な牧草地帯を眺めることができます。草原をマス目状に区切るように防風林が縦横に伸びています。展望台のすぐに下に立っているアンテナだけが視界を遮っているのだけが残念。これさえ無ければ、もっと良い展望になるんですけどね。
開陽台と言えばもう一つの名所が「北十九号線」、はるか先まで続く直線道路は圧巻です。
まずは開陽台側の坂道の一番端で一旦停まり、前走者と後続車がいなくなったのを確認すると、ここからスロットル全開でかけ降ります。一番下まで降りきった二十四号線と交わるところだけは右折してくる車がいるので注意が必要です。そこから先の上りは再び全開で走ることができます。
3年前に来たときは工事作業のトラックが頻繁に行き交っていた上、路面がひどい凸凹でとてもまともに走れる状態ではありませんでしたが、今回は見違えるほど綺麗な道路になっていました。
北海道には長い直線道路がたくさんありますが、ここはその代表格です。ちなみに帯広にある八千代の「三十三号線」もなかなか爽快な直線道路です(↓)。
中標津まで来たら絶対お勧めの回転寿司屋があります、「寿司ロード」です。
昨日のトラブルで北見のトリトンに行けなかったので、今日は寿司を食べにここに行くことにした。店は、中標津市街地を抜けて国道272号線を厚岸方面に3kmほど下ったところにあります。
ここは回転寿司ですが、この時間帯は寿司がほとんど回っていないので、全てオーダします。
まずは、トロサーモン、中トロ、ほたての3皿を注文。何と言ってもここはネタが大きい!!まずホタテが肉厚でぷりっぷり。トロサーモンは、小さめに握られているとは言え、シャリの左右からはみ出ています。おまけに値段が安い!中トロがなんと 250円です。
さらに嬉しいのが、この店はライダーにはサービスがあります。3年前はトロサーモン1皿が無料サービスでしたが、今回は石狩汁を頂きました。こういうところもリピータになる理由ですね。
北海道にきたらやっぱり、たらば蟹寿司だが、残念ながらこれだけはいまいちでした。余談ですた、たらば蟹の握りは釧路の八千代寿司が美味しかったです(もちろん値段は全然違います)。さらに、鯛とサーモンをオーダしたら、鯛が残り1切れしかなかったので、1皿に鯛1貫とサーモン2貫をのっけて鯛はサービスにしてくれました。これで150円。このサーモンもでかい!
今回も大満足です。しかし、この店は何故かチェーン店ではなく、店舗はここ中標津にしかないが残念ですね。
日が暮れるまでもう少し時間があるので「別海」まで足を伸ばしてみました。
中標津から東南方向に10kmほど走ると広大な牧草地があります。根室中標津線から左右に伸びる脇道に入り、牧草地帯を駆け抜けます。そこはただただ広い草原が広がり北海道らしい風景が広がっています。もう少し走っていたいところですが、徐々に夕暮れが迫ってきた為、再び中標津市街へと戻りました。
今日の宿は、「トーヨーグランドホテル」。ここは3年前に使用したホテルですが、立地条件的に、ここは道東観光の拠点としてベストポジションです。そしてここには宿泊客は無料で入れる併設の温泉があります。じっくりと湯船に浸かり、今日一日の疲れを癒します。