2007/09/02 作成
3日目:オロロンラインを北へ
早朝 3:50、2日目もぐっすりとは眠れませんでした。船上と同じで寝たり起きたりの繰り返しでしたが、外を見るとうっすらと夜が明けてきたので思い切ってそのまま起床。
手早く身支度を整えると、テントの外側にびっしりと付いた水滴を拭き取りつつテントを撤収。次第にまわりのテントで寝ていたライダー達も起きてきました。キャンプ場の朝は早いですね。
撤収を終えると学生さんらしきライダーさんから近くにSSが無いか聞かれました。最近は北海道でも24hのセルフSSが増えてきましたが、場所によってはまだまだ少ないですね。早朝から走るライダーは前日の夕方に忘れずに給油しましょう。
5:25準備完了。チロロ岳を超えて登る朝日を見ながら沙流川キャンプ場を後にします。
一路、北へ。
国道237号線に戻り、北へ向かって走り始めると、すぐに霧に見舞われました。気温も低く、半袖Tシャツ/長袖の上着×2枚/ライダージャケットの4枚重ね着でちょうど良いくらいです。
占冠市内を通り過ぎるところでホクレンスタンドを見つけましたが、さすがにこの時間では営業していません。ホクレンと言えば、ホクレンフラッグが有名ですが、この占冠のホクレンスタンドは今年4つ設置されている隠しフラッグが置いてあるスタンドの1つです。事前に情報を得ていたので狙ってはいたのですが、残念ながら1本目の隠しフラッグはゲットできず・・・。
1時間も走ると富良野市街地に入りました。
が、今年は富良野・美瑛はパスです。今はお盆なのでできる限り観光客が集まりそうな観光地は避けたいのと、既に8月中旬なのでラベンダーのシーズンも終わりに近いので、あえて立ち寄らないことにしました。
そのまま国道38号線で滝川方面に向かって走ります。滝川→富良野間と言えば、道央自動車道で小樽・札幌方面から走ってきた人が富良野へ抜けるのに良く使う道路ですが、今回は反対に富良野から滝川へと走ります。
滝里湖が見えてきた頃には、上空の雲がみるみるうちに東の空へと流れ、西から青空が見えてきました。まるで雲のカーテンが開くかのように。面白いくらい早いスピード空の色が変わっていきます。ちょっと感動しました。本当ならこういう時こそ動画撮影すれば良いんでしょうね。
昨日の夜にラジオで聴いた天気予報では、全道的に今日から3日間は概ね晴天。今日は絶好のツーリング日和になりそうな予感です。
芦別まで来たところで、少し寄り道をすることにしました。
ここから道道(地方道)4号線に入り旭川方面に向かって走ります。ツーリングマップルを見るとこの辺りは、「美瑛のような丘陵地帯が広がる」と書かれています。
4号線から脇道に入り小高い丘の上へと登ってみると、そこは美瑛のパッチワークの丘のような景色が広がっていました。さすがに美瑛と比べてしまうと見劣りはしますが、それでもなかなか綺麗な丘です。何よりこの辺りは全く観光客がいません。大勢の観光客で騒がしいところを避けたい人はこんなところを走ってみるのは如何でしょうか。
旭川市に入ったところで深川市街へと降りる為に、道道79号線に入ります。長く緩い下り坂が続いていますが、その途中では深川市内を展望することができます。きっとこの辺りの夜景は綺麗だと思います。
ただし、道路はいまいち整備されていないところがありますね。普通に走る分には問題ありませんが、アスファルトの隙間から草が生えているところも多々ありました。
深川までくれば、すぐ近くにひまわり畑で有名な北竜町があります。が、今回はパスです。遠目に黄色の丘を確認すると、そのまま日本海を目指し北西へ向けて走ります。
深川から国道233号線で北西に向けて走るとやがて日本海が見えてきます。留萌の「黄金岬」です。黄金岬と言えば日本海に沈む夕日、落日の名所ですが、今回はここでとどまらずさらに北を目指します。岬では、蟹釣りを楽しんでいる親子連れがたくさんいました。餌は、近くの店で売っている1本 50円のイカの足。こんな仕掛けで本当に蟹が釣れるのかな?
黄金岬で磯の香りに誘われて、ちょっと変わった貝を買いました。「青つぶ」です。正式名は、ヒメエゾボラと言うそうです。
焼けた青つぶは、良い香りがします。見た目はいまいちですがお味はなかなか。私はこういう貝類が好きですが、サザエの肝の苦みとか見た目が苦手な人には向かないかもしれません。
留萌から国道232号線へ、オロロンラインの名称で有名な天売国道に入ります。ここから日本海を眺めながらいっきに北へ向かって走ります。
しかし、車が多い! もちろん都内の車の量に比べれば全然少ないのですが、北海道にしては多いということです。さすがオロロンラインは絶好のドライブコースだけあり、お盆という時期的なピークも重なり交通量が多いようです。
この辺りはなかなかのシーサイドラインなのですが、残念なことに道がほとんどフラットでした。シーサイドラインは、ある程度高低差があった方が海が良く見えますね。同じ日本海沿いの道では、追分ソーランラインこと国道228号線の方が走りごたえがあるかもしれません。この国道232号線も苫前を過ぎたあたりからは、徐々に高低差も出てきて見応えのあるシーサイドラインになってきました。
苫前に入ると右手の丘の上に巨大な風力発電用の羽が見えてきます、「上平グリーンヒルウィンドファーム」です。
羽が視界から見えなくなったところで国道が右にカーブしているのですが、ここに脇道がありここから丘の上に登ることができます。
丘の上に登ると風力発電用プロペラのすぐ近くまで行くことができます。丘の上にならぶプロペラはなかなか壮観です。
ここで写真撮影していたら、次から次へとバイクが丘を登ってきました。やっぱり同じことを考えているライダーが多いですね。挨拶を交わして先へ進みます。
こういうところまでくるのはたいていライダーですね。車でくるドライバーは少ないです。
お腹もちょうど空いてきたところで、道の駅「風Wとままえ」(「ふわっととままえ」と読みます)へ。
併設レストランのメニューに書かれた「甘エビ丼」、「ホタテ丼」が目にとまりました。どっちも甲乙付けがたいところですが、ホタテ丼を選択。出てきた丼には、ホタテが山盛り。幸せ~♪
それにしても、ホッキ貝、青つぶ、ホタテ・・・・・貝類ばっかり。貝は大好きなのでこれはこれで良いのですが、そろそろ別の海鮮も食べたくなってきました。
富士見までくると国道232号線は、海岸線を離れ少し陸側を走ります。そこで国道を離れ、並行して走る農道に入ってみました。
富士見から北へ約10km伸びている開拓農道 町道浜更岸線です。ここも素晴らしい道です。国道と違って全く交通量がありません。途中すれ違ったのはクロネコヤマトの宅配便1台だけ。道の両側は牧草地帯で開けており、見事な景色です。これぞ北海道らしい風景ですね。打ち寄せる日本海の波音と国道を走るバイクの音だけが響いています。
留萌から走ること150km、天塩まで来るとここから国道232号線は日本海を離れ内陸側を走ります。ここから道道106号線に入れば、稚内までずっとシーサイドラインが続くのですが、楽しみは明日に取っておいて今日は国道沿いに内陸側を走ることにしました。
天塩市街を出るとすぐに左側に一列に並んだ風力発電用プロペラが見えます。「オトンルイ風力発電所」です。苫前のウィンドファームとは異なり、ここは28基のプロペラが整然と一列に並んでいます。これまた壮観な景色です。↑の写真では少し判りづらいですが、右端には利尻富士が見えます。
時間的に少し余裕ができたのでこんなところまで足を伸ばしてみました、幌延の「トナカイ牧場」です。登別の熊牧場や北見の北キツネ牧場に続き観光牧場第三弾です。
その名の通り、トナカイが飼育されているのですが、頭数は少ないですね。トナカイはここ1カ所にだけ固まっています。敷地も狭く、小さな動物園と言った感じ。ここまで訪れる観光客も少なく閑散としています。
入り口でトナカイの餌を買ったので早速あげてみようとしましたが・・・
トナカイの目が訴えています。
餌をよこせと訴えています!
このトナカイは食欲旺盛です。あっという間に袋の餌を全部たいらげました。おかげで手のひらは餌とトナカイのよだれでベトベトに・・・。
暑かったのでトナカイ牧場で北海道メロンソフトクリームを食べました。が、これがいまいち・・・。
最近、ソフトクリームサーバの中に毎回1人前のソフトクリームだけを作ることができる機械があるのを御存知ですか? お客から注文を受けると冷凍庫から1人分のソフトの元になるカップを取り出し機械にセット、1個分のソフトクリームだけを絞り出すだけのあの機械です。これで作られたソフトクリームってハズレが多くないですか?
結局、元となるカップさえたくさん用意しておけばどんな味でも作れるので、その土地ならではの名産を使った味が置いてあることは少なく、しかも数で勝負と言わんばかりに、無駄にたくさんのメニューを用意してる店があります。実際、ここでも何故かマンゴソフトクリームとか置いてありました。マンゴって南国のフルーツですよね? 明らかに宮崎ブームに便乗です。(めずらしく辛口コメントになってしまった)
ただ、この機械の全部がハズレではなく、中には美味しかったところもあります。去年の天橋立で食べた黒豆ソフトもこの機械でしたが、これは美味しかった覚えがあります。
ぐる~っと一周して、今度は日本海沿いの道道106号線が側から見たオトンルイ風力発電所です。
整然と並んだプロペラが絵になりますね。いろんなところでこの風景は紹介されているので御存知の方も多いと思います。
サロベツ原野を走り抜けている間に日が西に傾き夕暮れが近づいてきました。この辺りは一面遮るものがなく非常に綺麗な景色なのですが、残念ながらこの時間帯では少々寂しげに見えます。
明日もう一度ここへ来ることにして今日は天塩へと戻ります。
16:45、天塩まで戻ってきたところで、今日は「鏡沼海浜公園キャンプ場」に泊まることにしました。
その名の通り鏡沼の隣にあります。今日は朝が早かったせいか、走行距離は約450km、よく走りました。テントの設営を終えるとすぐ近くの「天塩温泉」に入り疲れを癒します。
北海道で温泉の近くの安いホテルを探すのは意外にたいへんなのですが、キャンプ場は温泉の近くにあることが多いので楽ですね。
夕闇迫る鏡沼です。沼地から聞こえる虫の音と遠くから聞こえてくる波音が響いています。
この日は、前日の日高キャンプ場よりも多くの星を見ることができました。都会と違って地平線の近くでも星が見えるのでより多くの星がきらめいているように感じますね。
こんな星空に合うお勧めのBGMは、白井貴子さんのCOSMIC CHILD(これは若い人じゃなくても判らないかな?) 。
19:45、朝から走り続けて疲れていたせいか早めに就寝。