2012/05/27 作成、2020/02/13 更新
3日目:シーサイドツーリング
4:45起床、テレビで天気予報をチェック。
今日から 5/3までの 4日間は雨の予報・・・。
1週間以上のロングツーリングをしていれば、必ず雨の日もあるので仕方がないことではありますが、この日程で雨になるとは・・・・・11年前の四国ツーリングと同じ状況だ。
あれこれ考えてもしょうがないので、覚悟を決めて走ります!
6:00出発。
「桂浜」に来ました。
やっぱり天気が悪いです。晴れていればここは綺麗な海岸線が見えるはずなのですが・・・。
早速、降ってきました。
3日目にして早くも雨装備。この先、当分こんな天候かな・・・・。
第三十六番札所、「青龍寺」です。あいにくの天気ですが、巡礼するなら太陽がさんさんと降り注ぐ快晴よりも、このくらいの天気の方がおごそかな雰囲気があって良いです。
この36番札所から先が、お遍路さんにとっては試練の道。37番から41番までの 5つのお寺さんを回るのに約300km歩く必要があります。 バイクなら1日で走れる距離ですが徒歩だときつそうだな・・・。
海岸線沿いに伸びる「横浪黒潮ライン」こと高知県道47号線を走ります。
ツーリングマップルでもお勧めルートの印が付いている快走路です。
エメラルドグリーンの海が綺麗です。
この曇り空でもこれだけ綺麗なのだから、晴れていれば間違いなく絶好の快走路ですよ。
まだ早朝ですがバイクも何台か走っています。ライダーサインを交わす回数も増えてきました。ツアラーだけではなく、明らかに地元のライダーさんだと判るバイクの方からサインを貰うと嬉しいですね。
駐車禁止(2輪を除く)
四国はこの道路標識が多いです。わざわざ「2輪を除く」と書いているところが良いです。
徳島からここまでずっと太平洋沿いに走ってきましたが、須崎から先は海岸線を離れて内陸を走ります。
国道494号線、国道33号線を使い北西へ。高知県から県境を越えて愛媛県へ入ります。
この辺りは、「仁淀川」に沿って走ります。四国の清流と言えばやっぱり四万十川が有名ですが、仁淀川も綺麗な川です。実は水質が全国一の川だったりします。
鮮やかなエメラルドグリーンの川は四万十川に負けず劣らずの美しさです。
こういう急斜面に住宅が建ち並ぶ風景は良く目にしますが、実際に住むのはたいへんなんだろうな・・・。
四国カルストの名所「姫鶴平(めづるだいら)」まで走ってきました。
幸い天気も持ちこたえてくれてました。
11年越しのリベンジです!
← これが11年前に姫鶴平に来たときの写真です。
この時は、土砂降りの雨で何も見えませんでした。上の写真と見比べてみれば違いが一目瞭然ですね。
これが前回見たかった姫鶴平から見た四国カルストの景色です。
気持ちがよい景色です。ちなみにこの辺りの標高は約1,500mあります。
同じカルスト台地でも山口県の秋吉台とは、またちょっと違った雰囲気があります。こっちの方が高地にあるせいかな? 秋吉台の方は高いところでもせいぜい標高300mなので高原というイメージではなかったです。
これは・・・多すぎ。
ほどほどに岩が点在している方が絵になりますね。
姫鶴荘で山菜うどんを頂きます。
ここでうどんを食べるのも11年前ぶりです。
食事を終えて外へ出たら・・・あれ!?
わずか15分ぐらいで景色が一転してしまいました。
山の天気は変わりやすい、ということですか?
この後、しばらく待っても一向に天気が回復する様子が無かったので、あの景色を見られたのは運が良かったようです。山の神に感謝。
姫鶴平の先にある「五段高原」へ。
この辺りでもの凄い強風が吹き始めました。油断するとコケそうなくらい強烈な突風が吹いてきます。牛達が寒さを凌ぐために身を寄せ合っていました。
うっ・・・・・、全然見えな~い!!
「天狗高原」まで来たところで、今度は強風に加えて霧が!!
メットのシールドを降ろすと視界がほとんどありません。対向してくるバイクもかなり低速で走行していました。
路面は水が掃けず水たまりになっている上に視界が全然無く、さらに時よりもの凄い突風が吹いてくるので、油断したらコケてもおかしくない状況です。ここまでひどいのは、数年前に走った北海道の日勝峠以来かな。
これは待っていても無理そうなので、東津野城川林道を使って一気に下山します。
標高で約1,000mほど降りて国道197号線まで出ると、さっきまでの強風と濃霧が嘘のような雨上がりの天気になりました。
ここを走らなければ四国まで来た気がしない!
と言うことで、ご存知「与作道」こと国道439号線です。久しぶりにここを走ってみたいと思います。まぁ、好き好んでこんなところを走るライダーも少ないとは思いますが・・・。
国道439号線は、全国の酷道の中でも有名な道です。全線が酷道というわけではないのですが、場所によってはかなりひどい場所もあります。路面はかなり綺麗になっていましたが、今でも状況が変わっていないところもありました。
この程度の落石はそこらじゅうにあります。車なら大丈夫ですが、ライダーはスピードの出し過ぎに注意です。
Σ( ̄□ ̄;;;
・・・・・・・う~ん、さすが与作道。
ブラインドコーナの先にこんなのが落ちていたら危険極まりない。
439号線沿いにある、めがね橋こと「下津井橋」です。
眼鏡橋と言うと、関東圏のライダーには碓氷峠の碓氷第3橋梁が有名ですが、この橋も同じ鉄道の橋です。元々森林鉄道用の線路が走っていた跡だそうです。
国道381号線まで出ると「四万十川」が出迎えてくれます。
残念ながら今回もあいにくの天気で、景色はいまひとつでした。
四万十川には、沈下橋がたくさん架かっていますが、その内のひとつ中半家の沈下橋に来てみました。
道幅は十分にあるのでバイクで渡るには何の問題もありません。
続いて高瀬の沈下橋です。
← の写真だと橋の上を渡っているのが判らないですね。
四万十川の沈下橋と言えば、この景色を思い出す人が一番多いのではないでしょうか? 岩間の沈下橋です。
やっぱり綺麗です。雨が降っていてもこれだけ綺麗なのだから晴れていればもっと綺麗なんだろうな・・・。
高知と言えばやっぱり鰹。
鰹のたたきトロロ丼を頂きました。ちょっと炙るだけでも鰹は美味しくなりますね。まさに一手間加えた美味しさ。
16:30、四万十市内に到着。
この辺りは元々中村市だったのですが、2005年に合併して四万十市になりました。
雨の中を走ったときのお約束、ホテルのドライヤーでツーリングマップルを乾かします。これをやっておかないと明日の朝にはページがくっついて開かなくなるので。
21:20就寝。
4日目:岬巡りツーリング
4:55起床、ロングツーリングも 4日目ともなると、すっかり早起きに慣れて、目覚ましが鳴る前に起きられるようになります。ロングツーリングは、いつもこんな感じです。
6:30出発。
ちなみに、ZZR400の隣に止まっていたライムグリーンのNinja250Rにはリラックマとピカチュウ、パールホワイトのNinja250Rにはリラックマとコリラックマのステッカーが貼ってありました。ひょっとしてオーナは女性ライダーかな?
今朝も小雨交じりの曇り空。
あいにくの天気ですが「足摺サニーロード」こと国道321号線を走ります。名前とは裏腹の天気ですが・・・。
この辺りの海岸線も綺麗なのですが、やっぱり天気が悪いです。
残念。
四万十市から南へ約50km、四国最南端 「足摺岬」に来ました。
右後ろで背中を向けている銅像は、中浜万次郎の銅像です。これは11年前にはありませんでした。
足摺岬から太平洋を眺めます。
波が岩肌にぶつかり白い波しぶきを上げています。
室戸岬や高知の周辺もそうでしたが、この辺りの太平洋岸はどこもこんな感じで見応えのある海です。もちろんこの気象条件の影響もあるとは思いますが。
足摺岬には、第三十八番札所「金剛福寺」があります。
やっぱりここも観光名所に位置するお寺さんなので、参拝客が多いです。札所を示す山門の表札は新しく付け替えられていました。逆に新しかった東門を示す木札は年季が入ってきました。そんな違いを見つけるのも同じ場所を二度訪れる楽しみのひとつです。
国道321号線から足摺岬へ行く道は、真ん中を通る348号線、東側の沿岸を走る32号線、西側の沿岸を走る32号線の三通りの選択肢があります。
ほとんどの車や観光バスは一番は走りやすいセンターの348号線を走るのですが、今日は悪天候で霧も発生していたので、帰りは西側の32号線を走ってみました。こっちは海沿いを走るのでところどころで良い景色が見られますが、道は細いところがあります。バイクなら問題ありませんが、車だと348号線を走った方が無難です。
再び国道321号線に戻ったところ、「鵜ノ岬展望台」に立ち寄りました。
荒波で削り取られた岩肌が美しい岬です。東北の三陸海岸沿いの岬巡りも楽しかったですが、ここ四国の太平洋岸沿いの岬巡りも負けず劣らずで楽しいです。
バイクを停めて海の写真を撮っていたら、お遍路さんに声をかけられました。聞いてみると東京から来ているそうで、バイクのナンバーを見て声をかけてくれたそうです。話を聞くと巡礼は今日で12日目でした。今居る場所が第一番の札所である徳島の霊山寺から距離で約630kmあるので、1日約50~60kmのペースで歩いている計算になります。四国八十八ヶ所の全行程が約1,300kmあるのでこの辺りがちょうど中間地点です。このペースなら 3~4週間で打ち終わります。
ちなみに、前に少し触れた37~41番の最長区間ですが、中でもここ37番→38番→39番の移動が一番たいへんなところです。37→38番が約94km、38番→39番が約74km、つまりこの 2つの寺の移動だけで約168kmを歩く必要があります。
いつか私も徒歩で巡礼してみたいと思っていますが、これだけバイクでお寺さんを回る経験をしてしまうと、徒歩はきついだろうな・・・・。
「叶崎」です。
何か見たことある風景だな、と思ったらここも11年前に立ち寄っていました。こうやって以前に訪れたところをもう一度走ると、当時の記憶が甦ります。
四万十から宇和島にかけた太平洋沿岸と豊後水道には、飛び出た岬や半島がたくさんあります。大きなところでは、足摺岬、柏島、外泊(高茂岬)、由良半島、蒋淵があるのですが、外泊は前回走っているので、今回は柏島と由良半島の先端まで走ってみたいと思います。
まずは、高知県道43号線に入り柏島へ向かって走ります。
ここは全線二車線の快走路です。
柏島の付け根には「大堂展望台」があります。
ここもマイナースポットかな? 観光客は全然いません。
おぉ~~、綺麗だ~~。
一直線に続く道の先にある小さな島が「柏島」です。向かって右側の入り江は浅瀬になっているため海面が綺麗です。反対に左側は断崖絶壁で白波が立っているのが見えます。
ここは穴場スポットですね。お勧めです。国道321号線からもそれほど距離が無い上に走りやすい道なので短時間でここまで来られます。ただし、大堂展望台へと続く脇道はかなり細いのでバイクなら問題ありませんが、車はすれ違い注意です。
海上に円形の囲いが多数浮いていました。
多分、この辺りの名産品である鯛の養殖場だと思います。
続いて「観音崎展望台」へ。
崖から海へ尽きだした綺麗な展望台です。
崖の上には緑があるのですが、下半分は岩肌がむき出しになっています。
ここも相当波が荒いんだろうな。
ちなみに観音岩は、コレです。
長細い岩が突き出ています。
柏島をぐるっと回ってみたのですが、店はほとんどありませんでした。
この辺りで食事ができそうな場所はここぐらいかな?
宇和島の名物と言えば、鯛。
地の物を食べよう~、で、鯛丼です。
当たり前ですが、鯛は美味しい。宇和島の鯛丼や鯛飯は、鯛の上に甘いタレをかけて食べます。
←の写真は、せっかくの鯛が海苔に隠れてしまった・・・。
再び、国道に戻ってきました。
宿毛から先は、国道ナンバーが321から56に変わります。
宇和島までは残り57km。
愛南にある第四十番札所 「観自在寺」です。
総ケヤき造りの立派な山門です。
お遍路さんの数は少な目。
須ノ川まで来たところで、先ほどの予告通り、今度は愛媛県道292号線に入り「由良半島」の先端を目指して走ります。
この辺りは以外と地元車の通行が多いです。路線バスも走っています。 2車線の道は途中から1.5車線になりますが、路面の舗装状態はかなり綺麗なので楽に走れます。
内海も綺麗です。
国道から走ること約16km、由良半島の先端「網代」まで来ました。
ここは漁港になっていました。バス停もあり交通の便は良さそうです。
ここまで走ってくる途中では、「最果てへ向かって走っている」という雰囲気も感じられたのですが、ここはそれほど寂しい場所ではないですね。家も十数件ほど建っていました。
こうやって先端を目指して走っていると、ついつい最果ての雰囲気が感じ取れる場所を期待してしまいますが。
由良半島から再び国道に戻り、宇和島市内に入りました。
市街の大通り沿いにはヤシの木が植わっているので南国のような雰囲気があります。
JR宇和島駅です。
駅舎は片方にだけ線路が延びている 3線の終着駅型ホームですが、ここはJR予讃線とJR予土線の 2路線が乗り入れています。
↑の写真で駅のホームに沿って備え付けられている薄緑色のボックスは気動車用の給油機です。
非電化区間ならではの光景ですね。
予土線の窪川発 宇和島行が入線してきました。
1両編成のキハ54形気動車です。
宇和島駅のすぐ隣にあるこの建物、何だか判りますか?
宇和島駅には、こんな感じで昔の扇状機関庫と転車台が今も残っています。
もちろん今は使われていませんが、古き良き国鉄SL時代の面影が今もここにあります。
雑草が生い茂って地面は荒れてはいますが、それでも転車台を放射状に囲む線路は全て残っています。
給水塔も残っていました。
これもかつてここに蒸気機関車が走っていた証ですね。
最後にもうひとつ。
宇和島駅の3番ホームは、こんな感じで機回し用のポイントと待避線があります。これも機関車を使って列車を牽引していた証ですね。身近なところでは大井川鉄道の千頭駅も向きは逆ですが今でも機回し用のポイントが残っています。
こんなところを探して回るのも楽しいですよ。
駅前の「かどや」で夕食をとりました。
宇和島の名物と言えば鯛めしとさつま汁ですが、ちょうどその2つがセットになったメニューがあったので、迷わずオーダー。
右下にあるのがさつま汁、ほぐした魚の身と麦味噌を魚のだし汁でのばしたものを暖かい麦飯のうえにかけたものです。味噌が濃厚で美味しいです。さつま汁は以前に宇和島に宿泊した時にも食べています。
鯛は、昼に柏島で食べた鯛丼と同じく、切り身を御飯の上にのせてタレをかけて食べます。
今日宿泊する宇和島オリエンタルホテルは、標準の枕以外に高さや堅さが異なる 5種類の枕がフロント隣の棚に用意されていて、自由に選ぶことができます。これなら枕が変わると熟睡できない人にも安心です。
21:30就寝。