2010/08/01 作成、2020/02/20 更新
6日目:雨雲を避けて北へ
3:40起床、テントのフライシートに叩きつける雨音で目が覚めました。ラジオの天気予報では、道南と太平洋側ほど雨が降りやすいとの予報だったので、早めに北へ向かってオホーツク海まで出たいと思います。
本当はここから中標津を越えて、羅臼側から知床峠を越える予定だったのですが、この天気では知床峠も霧に包まれているだろうと考え、とりあえず弟子屈方面から斜里へ抜けて天候回復を待つことにしました。
雨が小降りになったところで、6:00出発。
ダメ元で裏摩周湖展望台へ来ましたが、やっぱりダメでした。これはカウントには入れません。単にトイレに行きたかったのでここに立ち寄ったのですが、鍵がかかっていて入れませんでした。
この展望台まで続く道を走っている途中でチャリダーに合いました。チャリダーも朝が早いね。北海道ではチャリダーもライダーサインを交わしてくれます。
道道1119号線を北に向かって走っている途中で朝から降り続いていた雨が止んでくれました。
やっぱり、今日は北へ行くのが正解のようです。
雨が止んだので、斜里に出る前に寄り道をします。
裏摩周湖展望台から少し北へ走ったところに、神の子池へと続く林道があります。
この林道は舗装されていません。前回来たときは路面がドロドロにぬかるんでいて、とてもオンロード車では走れない状態だったのですが、今日は路面が乾いています。これなら多分大丈夫だろう。
荒れた砂利道を慎重に低速で 2kmほど走って、無事駐車場まで到着。このオフロードはところどころ深くえぐれた溝や大きな石が転がっているので、オンロード車は注意して下さい。道路全体はそれほど高低差がないので心配ありません。
「神の子池」です。見ての通り池の中央は神秘的な色です。エメラルドグリーンと言うよりは、水色ですね。それもかなり鮮やかな水色です。透明度が高く倒木がはっきりと見えます。
神の子池の周辺も熊出没注意地区です。
なかなか迫力のある看板ですね。
道道1115号線を札弦まで走ったところで、前方に青空が見えてきました(←側の写真)。
一方、同じ場所で今来た道を振り返ってみると、後方はまだ厚い雲に覆われています。(→側の写真)
天気の明暗がはっきりと分かれていますね。
東を見ると、斜里岳から羅臼岳方面の山々は深い雲に覆われていました。
やっぱり知床峠越えをあきらめたのは正解だったかな。霧さえ無ければ知床峠は絶景なんですけどね。
斜里の清里町を南北に走る北海道道857号線です。ツーリングマップルにも記載されている為、知っている人や走ったことがある人も多いと思いますが、ここは丘の上からオホーツク海へ向かってまっすぐ道が延びています。道路の先に見えるオホーツク海が美しいです。実際には、その手前の国道244号線で道は途切れているため、海までは道は続いていません。
ここからの眺めは非常に綺麗なのですが、実際に走ると丘の麓から先は高低差も少ないため、残念ながら走ってもあまり楽しくはありません。走るよりは見た方が良い道路ですね。
斜里岳の上空に笠雲がかかっていました。
ちょうど山肌を覆うように白い雲が被さっています。なかなか面白い景色ですね。
この中斜里を走っている道路は、道道1000号線、キリ番です。ちなみに、道道 1号線は小樽を走っていますが、地方道の 1号線は全国にあるので面白みがないですね。やっぱり、4桁の地方道こそ北海道ならではの道です。
斜里のオホーツク海側には、「以久科(いくしな)原生花園」があります。
ここは斜面上にたくさんのエゾスカシユリが咲き誇っています。遠くには遠音別岳、知西別岳など、知床半島の山並みも見えます。
ここもマイナーな観光スポットできっと誰もいないだろうと思っていたら、意外と観光客がいました。名古屋から来て秘湯巡りをしているというドライバーのおっちゃんと話ながらしばし原生花園を散策。
天候が回復してきたので、斜里から東へ向かい知床峠まで行ってみることにしました。ただし、知床峠付近の山はまだ雲がかかっているので、天候が悪かったら戻る覚悟で走ります。
国道334号線は、朱円で45度→45度の2段階で曲がっているのですが、この角の丘に登ると直線道路を一望できます。
ここがその丘の上にある展望台から見た景色です。斜里の畑とオホーツク海を一望できます。
先ほどの北海道道857号線ほどではないですが、ここも綺麗な景色です。やっぱり北海道は直線道路が多いな~。
国道334号線に戻って知床半島を目指します。
このシーサイドラインも走っていて楽しいです。高低差はほとんどありませんが、それでもオホーツク海が良く見えます。
斜里から東へ50kmほど走り「知床五湖」に来ました。
まずは、一湖。
なんか以前に来たときと雰囲気が違うな・・・と思ったら、
なんだこれは?
湖の対岸にこんな人工建造物が出来ていました。
なんてこったい、これが違和感の原因か。世界遺産の知床半島の湖にこんなものを作るか・・・。
続いて、二湖へ。
こっちは、以前と変わらぬ景色が保たれていました。やはり、知床五湖はこうでなくては。風蓮湖と同じで湖畔が湿地になっています。
ちなみに三湖、四湖、五湖は、今回もヒグマ出没中で立ち入り禁止でした。前回も二湖までしか回れなかったな。
知床周辺は、エゾシカも多いですね。ウトロから知床五湖へと続く道道93号線を走っている間も何頭か見かけました。
←の鹿は、二湖の近くで見かけましたが、草をついばんでる途中で斜面からずり落ちそうになっていますが。
一湖、二湖をぐるっと散策したところで、あの対岸に見えた巨大な橋を渡ってみることにしました。
ちなみにこの橋は、「高架木道」と呼ぶそうです。完成したのは 2010年 4月、わずか 3ヶ月前ですね。
高架木道から見た一湖です。これは綺麗だ。
あいにくバックの知床連山には雲がかかっていますが、晴れていればかなり綺麗な景色になると思います。
高架木道から見たオホーツク海です。こっちの景色も綺麗です。
前言撤回! これは良いかも知れません。
【後日談】
この高架木道は、ヒグマ遭遇の回避や湿地帯の保護の為に作成されたそうです。やはり知床五湖を訪れる観光客のマナーに問題があり、7月21日に来年 5月以降は入場規制を実施することがきまりました(5月10日~7月31日は 1日300人、8月1日~10月20日は 1日3000人まで)。
いまだに、物を食べながら歩道を歩く人や湿地帯に足を踏み入れる観光客が多いそうです。これは知床に限った問題ではないかもしれません。
知床上空は、風の流れが強く、巨大な渦巻き上の雲が出来ていました。
こういう雲を見ると「竜の巣」と呼んでしまうのは私だけでしょうか?(笑)
(※ラピュタ雲のことです)
知床五湖のレストハウスまで戻ってきたところで、「鹿肉バーガー」を食べました。その名の通り鹿の肉です。
味は普通のハンバーガーでした。鹿肉は独特のえぐ味があると聴いていましたが、ハンバーグになるとそれも感じないですね。普通に美味しく食べられます。
知床周辺は、この手の変わり種の料理が多いですね。知床峠の羅臼側の先端に「熊の穴」という店がありますが、そこでは熊肉も食べられます。私はそこでトド肉を食べたことがありますよ。
ハンバーガーの具材発見!!
エゾシカ発見!!
口いっぱいに葉っぱを頬張った状態で目と目が合いました。
しばらく硬直したものの、再び葉っぱを食べ始めました。これだけ近い距離にいるのに警戒心がほとんどありません。知床半島の鹿は、人慣れしすぎですね。警戒心が薄すぎるのもどうかと。
これも別の鹿。
目があったままじっとこっちを見つめています。見たところまだ若い鹿かな?
牡鹿登場。
こいつは一心不乱に草を頬張っていて、こっちを見向きもしません。
う~ん、やっぱり知床周辺の鹿は人慣れしすぎていますね。もうちょっと逃げるそぶりぐらいはしてくれないと、遭遇したときのありがたみが半減します。
ここまで来ると奈良公園の鹿と大差ないような・・・。
知床峠周辺は厚い雲がかかっていたので、峠越えはあきらめて、再び国道334号線に戻り西へ走ります。
今度は海を右手に見ながらシーサイドラインを走ります。雲が綺麗だ。
残念ながらオシンコシンの滝は、崖が崩落した為、進入禁止になっていました。駐車場も停車禁止になっていたので、あきらめました。
←は、「三段の滝」です。オシンコシンに比べるとはるかに迫力が劣りますが、それでもしばし暑さを忘れさせてくれます。
釧網本線(せんもうほんせん)の「浜小清水駅」に立ち寄りました。
あいかわらず上空の雲が風に舞って綺麗な青空を形作っています。
構内の待避線にこんな車両が留置されていました。
これ何だか判りますか?
「N-MCR-600-M 除雪装置付軌道 モータカー」です。
正面の赤い物体は見ての通り除雪装置ですが、反対側の黄色い物体は巨大な草刈り機です。正式名称は「H-300 軌道草刈機」。
これは珍しい車両ですね。
もうひとつ。
ここ浜小清水駅には、こんな分岐ポイントがあります。
左下の写真を見ると判りますが、線路が途中で切れて道路と繋がっています。以前にニュースで「DMV」が話題になってのを覚えていますか?
Dual Mode Vehicle、線路も道路も走ることが出来る、いわゆる軌道走行バスです。
ここ浜小清水駅で線路←→道路を切り替えて走ります。斬新なアイディアですが本運用するには、まだまだ課題が多そうですね。
浜小清水駅の隣にある「フレトイ展望台」です。
原生花園の緑色とオホーツク海の青色のコントラストが綺麗です。
反対側は、涛沸湖を眺めることができます。
↑の写真だと判りづらいのですが、原生花園の中にある「涛沸湖」です。
北海道の湿原の中では地味な方ですが、ここは国道沿いに湿地が広がっており走りながらでも景色を楽しむことができます。
かなり日が傾いてきたので少し暗い影が落ちていますが、それでも雲の間から綺麗な青空が見えています。
←を見れば、どれだけ景色が鮮やかだったか判りますか?
ZZRのタンクに小清水原生花園の大地と青空、そして白い雲が映りこんでいます。
網走まで走ってきたところで「能取湖」に立ち寄ります。
ここはサンゴ草の群落地で秋口に湖が真っ赤に染まるのですが、今は季節はずれで単なる湿地帯になっています。オフシーズンなので観光客は全くいませんが、個人的にはこういう人気の少ない観光地は好きです。
今日は一日、上空の雲を眺めて楽しむことができました。
最後に撮った雲写真は、女満別から眺めた上空ですが、油絵で描いたような鮮やかな雲でした。
夏の雲も楽しいけど秋の雲も良いですね。
女満別市街にある 「道の駅メルヘンの丘 めまんべつ」です。
道の駅に併設している建物の壁から垂れ幕がかかっていました。
「祝 メルヘンびっ・・・・」
「6月30日(水)本日オ・・・・」
オープン初日なのに垂れ幕が外れてるよ!!
先行き不安なオープン初日のレストランです。
飲食店&観光案内所「メルヘンぴっと」は、オープン記念で食事が格安で販売されていました。
← このイクラ丼、なんと 500円 です!
メニューでは、ミニイクラ丼と書かれていましたが、これのどこがミニなんだろう。十分にボリュームがあります。これで 500円は文句なし!
運が良かった~。そして美味しかった~。
← このソフトクリームも半額の150円でした。アップルマンゴー味です。ソフトクリームと言うよりシャーベットに近くて、味はいまいちでしたが、値段が安かったので良しとします。
今日のキャンプ場は、女満別の網走湖畔にある「女満別湖畔キャンプ場」です。
ここは、すぐ隣に女満別野営場があるのですが、今の時期は利用客が少なく、野営場の方は誰もいませんでした。 湖畔キャンプ場の方もテントは、5張りしかありません。ライダーもいません。
キャンプ場のすぐ隣は石北本線の女満別駅で、近くには温泉もあります。
網走湖の夕焼けです。赤色には染まりませんでしたが、鮮やかな黄金色の落日になりました。
写真には写っていませんが、上空では夕焼け空の中を女満別空港へ向かって低空でアプローチしている飛行機の姿が見えました。
20:00就寝。